この春休み中に起こった、新型コロナウイルスという歴史を大きく動かす出来事が、僕の、私たちのこの世代に多大な影響を及ぼすことには間違いないだろう。そして、なぜかわからないが、私たちの世代というのは幸か不幸かいろいろなことが変化するという波乱万丈の世代といっても過言ではない気がする。いま、その私たちの前に憚ろうとしている最も大きな壁、そう、「受験」だ。なんとまあ、受験制度までがセンター試験から大学共通テストという謎の進化を遂げたのである。
春休みというのは受験生にとっては結構大事な時期なのである。リレーでいうスタートダッシュをうまく切れるかどうかがこの春休みにかかっていた。僕は今、「…僕たちの春休みは一体どこからどこまでが春休みだったのだろう…まだ実は春休みなんじゃないか…」と一瞬脳裏をよぎった妄想を支持する自分と、「おい、気づけ…もうすでに勝負の春休みは終わっているんだ…」と現実を見せようとしてくる自分がいい戦いをしている。ただこれを読んでいる先生に一つだけ言わせてもらいたい。決して、僕はスタートラインから進まなかったり、スタートダッシュをミスってこけたりなどという失態はしていない…だろう…ということだけ伝えておきたい。もちろん平均して一日10時間は勉強していたし、この前の模試で開いた口がふさがらなかった教科もかろうじて口を閉じることができるようになった。一応結構これでも頑張って足を前に進めているのである。ただ、新たに誕生した壁…そう数学。僕の唯一無二の得意教科であった教科にあらたな壁が誕生したのである。僕はいまなら、マリオがピーチ姫を助けた直後にクッパが復活しはるか彼方へ連れ去っていったときのマリオの気持ちがよくわかるかもしれない。たとえが少し難しいかもしれないが、要するにかなりショックなのである。しかしここが正念場と思い一生懸命走り抜けた春休み。後々、この時の自分に感謝する日が来てくれることを心から願っている。
さて春休みも無事終わり迎えた新学期。みんなの顔をスクリーンを通して見るのがなぜか面白く自然と笑みがこぼれてしまう。やっぱり友達って大事なんだな、と改めて実感させられる。オランダで過ごす日々はもう「THE BORING DAY」だったからか、いっそうみんなが元気そうな顔をしているのをみてなんだか懐かしい気分になり安心した。しかし、受験という事実は私から離れてはくれない。そう、これからが本当の勝負なのだ。春休みに手に入れた海図とともに大海原に出発し始めた僕は一生懸命舵を切り大学という新たな島に向けて出発した。まだ冒険は始まったばかりだ。 To be continued…
(高等部3年生 男子)