春期休暇

春期休暇

今回の春期休暇はいつもと違う。三学期の初めには全く想像もしていなかったような退屈な日々。特別補習が終わる頃には本当に日本に無事に帰れるかさえ怪しい状況だった。

正直、最初はそんなにやばいの?とか、そんなに大袈裟にする事?と思っていた。しかし、空港に行ってみると普段はマスク習慣のない英国の人達でさえマスクをしている姿を見て本当にやばいんだなと痛感した。

日本に着くと、もはやマスクをしていない人が全くいないという光景が広がっていた。そして、改めて非常事態なんだと認識した。

日本に帰ってから2週間くらいは小学校の時の友人と遊んだりカラオケに行ったりしていた。でも3月末から今までは家族以外にはほとんど会わない日々が続き、勉強以外はやることがない退屈な日々を過ごした。

そんな時に私の暇を潰してくれたものが2つある。

ひとつは、SNS。LINEやインスタグラム、ツイッターなどで友人と電話したりみんなが元気か確認したり。現代だからこそ、こんな感じで直ぐに連絡が取れたり、立教でも行われているオンライン授業が出来るのは時代の進化だとつくづく思う。もし25年くらい前にこんな状況が起こっていたら友人との連絡もなく授業もないという日々が続いていたと思うとまさに、不幸中の幸いなのかなとも思ったりする。私の好きな俳優で音楽家の星野源さんは自身のSNSで「うちで踊ろう」という動画をあげてみんなの心をひとつにしようとしてくれている。他のアーティストもライブの動画を上げたりインスタライブをしたり。やはり、SNSは今の時代には欠かせないものであり、みんなをひとつにする手段のひとつだと思った。

もうひとつは、部屋の片付け。私は中一の時に千葉から東京に引っ越した。それと同時に立教に通い始めた為に、ちゃんと部屋の整理を終わらせていなかった。そして、月日は流れ、物は増えて、そろそろ整理整頓しなきゃと思っていた矢先、外出が出来ずに退屈な日々が続く春期休暇が来たのだ。これはチャンス!と思い、まず小物が沢山入っている棚を整理し始めた。すると、思った以上の過去のストラップやシール、折り紙などが出てきた。私は、少しでも思い出があると捨てられない性分なので、どうしようと悩みながらも断捨離しようと決意してたくさんの物を捨てた。次は本棚とその周辺。5年分のクリスマスカードや星野源のグッズがズラっと並んでいて捨てるものはほとんどなかったが、あんまり触ってないところには埃がたまっていた。それらも全て綺麗にして整理整頓が終わったあとの達成感とやらはとてもいいものだった。これで、心や気持ちの整理も着いたのかなと少し思った。

テレビでもずっと新型コロナウイルスのニュース、ドラマも撮影が中止になり過去のドラマの再放送。学校の再会も未定のままで、日本での感染拡大は抑えられておらず収束するのは2年後なんて話もあるこのご時世。そんな中、酔っ払って自分はコロナだと言いながら街を歩いたり、最前線で戦って下さっている医療従事者の方々を誹謗中傷したり。今こそ世界がひとつになってこの大変な時を乗り越えなければいけない。だから、みんなでお互いを支え合って今を乗り越えられたらいいなと心から思った春期休暇だった。

(高等部3年生 女子)