紅葉が深まる立教キャンパス。どの教室を覗いても、皆せわしなく活動している。
オープンデイ(文化祭)のクラス企画は、自分たちでテーマを決めた展示発表である。
当日のサプライズ性を高める粋な計らいなのだろう、慣例的に互いの展示内容を教えないことにしているようだ。
先生も全員が全クラスの内容を把握している訳ではない。
背景、模型、文章構成など、生徒の役割は様々だ。時には作品の出来不出来をめぐって衝突が起こる。
それは決してマイナスなことではなく、皆が真剣によりよいものを目指しているからこそだ。
立教英国学院のオープンデイ準備期間は1週間。この間、授業は一切無い。
イギリスの学校では学期に一週間、ハーフタームという中休み期間があるが、立教ではこれをオープンデイの準備期間に当てている。
だから日本の一般の高校より遙かに長く、密度の濃い準備期間になる。
夕方になると、今度はフリープロジェクトの練習が始まる。
こちらは学年関係なく有志が集まって発表をするもので、演劇やダンスなどがある。
その他に剣道部や茶道部の部活動発表もあるから、授業がないとはいえ、とても忙しい。
クラス企画で服をペンキまみれにした生徒が、体操着に着替えて小走りでフリープロジェクトに向かっていた。
その表情は焦ってはいたが、とても充実しているように見えた。
真剣に取り組めることは、立教の生徒たちの大きな長所であると思う。
そしてその経験は財産として残っていく。
生徒の成長を感じつつ、当日を楽しみに待つ準備期間である。