「環境問題について考える」(高3英語 オンライン授業レポート)その3〈Online Discussion 〉

「環境問題について考える」(高3英語 オンライン授業レポート)その3〈Online Discussion 〉 「環境問題について考える」(高3英語 オンライン授業レポート)その3〈Online Discussion 〉 「環境問題について考える」(高3英語 オンライン授業レポート)その3〈Online Discussion 〉 「環境問題について考える」(高3英語 オンライン授業レポート)その3〈Online Discussion 〉

英語を「目的」ではなく「手段」として駆使する高3英語科プロジェクト。1学期後半は各グレードグループで本格的な取り組みが始まり、少人数のグループに分かれてディスカッションを始めるクラスもありました。オンラインですから「直接的な」話し合いはできませんが、逆にそういう状況を活かした工夫も見られたようです。

「はい、皆さん、先週のフォームによる希望調査でテーマごとにきれいに4グループに分かれましたので、最後の2週間はグループごとにテーマに沿ってディスカッションを進めて、今学期のまとめとしてとりあえずプレゼンテーションを一つ完成させてください。」

先生からの指示はもう少し続きます。

「今回からオンラインディスカッションを始めます。ZOOMによる直接対話も考えましたが、今回は共有ドキュメントを介して話し合うことにしましょう。」

日本ばかりかイギリスや他の国々にもいる生徒たちのことを考えると、時差もあるのでビデオ会議アプリを使った話し合いは難しいと判断。お互いの意見をじっくり読みながら、そして入力しながら自分の考えを整理できるというメリットがある「ドキュメントの共同編集方式」のディスカッションを行うことにしました。ポイントは「すべて英語」。2学期は実際に面と向かって英語でディスカッションする予定ですが、その前段階として「考える時間」を持ちながら英語で「会話」をするのはなかなか効果的でした。

「文法なんてどうでもいいですよ。今回は相手に自分の意見・考えを伝えるのが目的です。伝わればいいです。「英語」はそのための単なる「道具」ですからね。」

各グループには、プレゼンテーションの構成と内容検討の為に1週間が与えられ、さらにプレゼンテーション自体の作成・校正にもう1週間が与えられました。ファイル上での英語による意見交換という特殊な状況のせいか、出だしはスローなペースでしたが、自然にそれぞれのグループでイニシアチブを取る生徒が出始めるといいリズムで会話が始まりました。共同編集では生徒たちが「コメント」を入れるたびに担当教員にメールが届く設定になっているので、ディスカッションの盛り上がりは「ピボ〜ン」「ピボ〜ン」「ピボ〜ン」というNotificationの音でライブで伝わってきます。時々覗くそれぞれのグループの「共有ファイル」は日に日に体裁が整っていき、まるで、寝ている間に小人が作る靴のように立派に仕上がっていきました。ネットの向こうにいる、世界各地の小人たちが日々協力して作り上げたプレゼンテーションは、1学期の集大成としてふさわしいものに仕上がったと思います。

今回はその中から、担当教員から以下のコメントがついた作品をひとつ選んでご紹介します。下記リンク先からPDFファイルでご覧下さい。

H3-English-Presentation-revised-Aug-13.pdf

 

▶〈担当教員コメント〉

凄い!!! 君たちのやり取りは次から次へと毎日のようにコメントが入っていたのでライブでその「やる気」を感じていたのですが、まさかここまで頑張っているとは… 予想以上の出来に脱帽です。
最初にファイルを開いた時には、30ページ近くあったので、大丈夫かなぁ(読み手を飽きさせないかなぁ)と心配もしたのですが、読み始めたらあっと言う間にそんなことは忘れて、いつの間にか「君たちの作った世界にどっぷりと浸かって、色々考えたり、思ったり、感じたりしていた。」そんな素晴らしいプレゼンテーションでした。

正直、ここまで期待していなかったので、驚きました。1学期のまとめ程度に考えていて、本番の2学期プレゼンテーションの前に、第1作目のプレゼンテーションとして作成しておけば、足りないものとか今後やるべきことが意識できて良いかな、という気持ちでした。一般的な?水準で考えれば、君たちのこの作品はほぼ完成形です。

が、君たちの勢い・やる気・意識を考えると、2学期には、更にやってくれそうだな、とも思って期待しています。僕たち(H3英語)の目的は、点数を取るためでも良い評価を得るためでもなくて、「本当に」地球温暖化について一人でも多くの人に「意識」してもらって、自分たちでも実際に「何か」を始めることなので、これで終わりではなくて、やることはまだまだ沢山あるような気がします。

2学期のプレゼンテーションについて言えば、全校生徒に君たちの主張がどこまで伝わるか、本当に楽しみにしています。「英語」でのプレゼンは、ともすると「準備はしっかりできている」のに、本番でその努力が完全には報われないことが多いような気がします。「英語で」の発表だから、というのが大きいと思います。「英語を」話すのではなく、「英語で」話す、ようなプレゼンができれば良いなと思います。話したいこと、伝えたいことがしっかり頭の中にあるのが大前提、そしてしっかり練習した英語で「話し」ながら「伝える」プレゼンを期待しています。
みなさん、大変よくできました! 良い夏休みをお過ごしください。