サボり

サボり サボり
お〜。手を止めて中一の教室を見回した。そこはいつものようなあの殺風景ないすと机だけの世界ではなくて、まるで絵本の中に入ったようなあざやかな魔法の世界のようでした。
みんなで力を合わせてやったクラス企画、それは決してすぐに出来る物ではない。ということは分かっている。実質、僕だって頭がいたかったし、鼻血も出た。けれども、もっともっとがんばれるような気がしてしょうがなかった。ものたりないような心のザワザワがおさまらない。そこには後かいもあったと思う。もっとがんばれたはずなのに、サボってしまった自分がいた。このクラスは僕にもっときれいにしてとさけんでいた。もしかしたら、僕がこの教室にかけたのは、魔法ではなくて、呪いだったのかもしれないと思うと現実がこわくて、現実から逃れたくて、でも逃げられなくて、心が力士にのられたみたいにペチャンコになってなにも言葉が出なかった。
クラスの企画は、そのクラスを表している、とよく耳にするが、それは本当のことだと思った。がんばればがんばるほどすてきな物になる。みんなオープンデイという名前の一日のためにがんばって教室に魔法をかける。一人一人ががんばれば、それはとてもすごいものになるが、毎日のつらい作業から逃げてしまう人がいれば、とてもショボイものとなってしまう。それはまるで子供のようなものだと思う。今回のオープンデイは僕に大切なことを教えてくれたと思う。人間はどこで、誰から「サボり」というものを教えられたのだろうか?
(中学部1年生 男子)