最後の球技大会:高3という自覚

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今回の球技大会、私は3年連続でバレーボールだった。毎回勝ったり負けたりと接戦で、その度笑顔だったり、涙したり。毎年それぞれの思い出がたくさんある。中でも今回の球技大会は、自分は高3なのだと自覚することができた良い機会となった。
球技大会前日の夜、私は2年前の球技大会を思い出していた。あの時はとにかくがむしゃらにボールに飛び込んでいった事とか、仲間と声を掛け合って励まし合っていた事など。あの頃はとにかく卒業してしまう先輩たちのために絶対負けられない、絶対勝ってやる、そんな気持ちでいっぱいだった。けれども今の私の気持ちは違った。後輩たちに楽しんでもらいたい、良い思い出を残してあげたい、後輩たちの為に負けられない、そんな素直な気持ちだった。
球技大会本番、前半は1対1の接戦で、延長戦に入った。点を取ったと思ったら取られたりとそんな試合を繰り返し、14対13と相手のマッチポイントにさしかかった時、サーブの順番が新入生にまわった。彼女の中できっと焦りや恐怖があったはずだ。結果サーブミスをしてしまい、この試合は負けとなってしまった。彼女は何度も何度も謝り、自分を責め泣いていた。私も悔しくて泣きたかった。しかし彼女を見た時、泣いてはいけない、私がしっかりして慰めないといけないと思った。
人は知らない間に成長すると聞いた事があるが、こういう事を言うのではないかと思う。先輩のために自分のためにと思っていた事が、後輩のためにと変わる。自分は高3なのだという実感がやっと湧いてきた。そんな球技大会だった。わたしはもっと高3という重みを背負っていけるだろうか。残りの2学期間で胸を張ってそう言えるようになりたい。
(高等部3年生 女子)