球技大会代表キャプテンになって 『一人一人の全力の努力。同じ一つのチームにいて、一つの目標を一緒に目指す。』

球技大会代表キャプテンになって 『一人一人の全力の努力。同じ一つのチームにいて、一つの目標を一緒に目指す。』 球技大会代表キャプテンになって 『一人一人の全力の努力。同じ一つのチームにいて、一つの目標を一緒に目指す。』
「代キャプやりたい人!」「はい!」「女子もう一人誰か!」「え、やりなよ!」「え? じゃあ、はい!」そんな感じで決まった代キャプ。代キャプとは、代表キャプテンのことで、全校を分けた2つのチームから男女二人ずつ選ばれる総合キャプテンです。私は青組の代キャプになりました。
代キャプといえば、明るくて周りを巻き込んでいけるようなオーラを持つ先輩方がやっているイメージで、大人数を勝ちたいという思い一つだけでまとめ上げる、歴代の先輩方が本当にかっこよくて、憧れていました。そんな立場に今、自分がなっている。やるからには全力でやりたい。皆が青組に入ってよかったと思うようにしたい。悔いのないものにしたい。そう強く思いました。
相方は、普段から仲の良い親友のK。クラスでいつも騒がしい二人だったので、皆に「期待してるよ!」と声をかけられることが多く、だんだんプレッシャーが強くかかっているような気がしてきました。短い準備期間でやるべきことは多く、普段見ないような真剣なKだったり、ふざけ合うだけだった仲なので、そんな様子を見ると、いつも自分はこうやってクラスメイトに助けられていたのだと気付かされました。
本番までの代キャプの仕事は意外と地味なものが多くて、全員分のはちまきを一本一本切ったり、応援旗を縫ったり。でもその一つ一つが苦しくなかったのは、やはりその作業の先の皆の輝く姿が目に浮かんだからではないでしょうか。
「宣誓!」代キャプ四人での選手宣誓で球技大会は始まりました。まずは全体競技のムカデリレーと○×リレー。もともと声を張ることには自信があったので、できる限りチームのメンバーひとりひとりに声が届くようにと、ありったけの声を張り上げました。私は球技大会の時の、体育館が二色に染まり、生徒の熱い歓声と充満する熱気のようなものでいっぱいになる空気が大好きで、そしてその空間の中心に自分が立っているような気がしました。自分で縫った青の旗を持って、チーム全体にとにかく声をかけました。その時は青のメンバーひとりひとりが、いつもの学校生活での後輩としてではなく、一つのチームの大切な一人というような感じに見えました。前半のムカデリレーは勝ち、後半の○×リレーは負けでした。○×リレーのペアはKでしたが、アンカーを走り切った後はハイタッチで笑顔でした。
普段、皆の前に立って何かをするようなことはやったことがなく、正直不安でした。プレッシャーというか、重い責任感もありましたが、逆に自分がこの大きなチームを動かせるかもしれない。そう考え、私は必死で声を上げ続け、祈るような気持ちで応援を続けました。応援というのは、本当に不思議なもので、「頑張れ!」と言っているだけで実際手を貸したりはしていないのに、すごいパワーを感じます。皆が「頑張れ!」と心から思ってそれを叫ぶ。そんな声が飛び交う球技大会が、名前もまだ知らない新入生や今まで話したこともなかった生徒と、同じ一つのチームにいて、一つの目標を一緒に目指せるという、そんな機会に思えました。
人が一生懸命に何かをするということは、本当にかっこいいなと思いました。何もかっこつけずに突っ走る。そのメンバーひとりひとりの全力の努力の姿が、私の心に強く響きました。
代キャプの役について仕事をこなすだけだと思っていた私ですが、この役についたからこそ分かったことが沢山あり、自分自身も知らなかった自分を知り、やってよかったと心から思いました。悔いのない最高の思い出ができました。チームの全員にありがとうと言いたいです。
(高等部3年生 女子)