今学期は立教にいるようで、全く別の場所にいるような時間を過ごしました。それもそのはず。コロナウイルスの対策のため、学年ごとに生徒がバブルシステムでわけられ、接触を禁じられていたのですから。帰寮してから顔を合わせるのは同じバブルの生徒だけ。つまり高二の生徒としか交流できないという環境です。新高一の新入生と話したいという感情を皆持ちながら、どこからか流れてくる新入生の噂で高二の中で一喜一憂しました。前だったら、食事の席や教室、ドミトリーで、話すことができたはずなのに。この話したくても話せないという状況に、私はかなり違和感を抱きました。新入生と話せないことだけではありません。教室を使った後の消毒は必須でしたし、気軽に先生に質問することも許されませんでした。だから私は長年通い続けた立教であっても、どこか別世界で生活するような錯覚を抱いてしまったのです。
そして二学期は私にとっては挑戦へのスタートでありました。その挑戦とは学業面のものです。高二から理系を選択した私は、高一の時よりも何倍もの時間を勉強に割かなくてはいけなくなりました。それと同時に、授業の内容もより濃密になり、集中力を必要とされました。そして何より、理系を選択したほかのメンバーが全員そろって授業を受けられるようになったのが、二学期からだったのです。一学期のオンラインでの授業はあまり新鮮味がなく 、他のメンバーともあまり競争できませんでした。しかし二学期に入ってから、理系のメンバーで集まって宿題を解き、その点数で競ったり、因数分解コンクールの勉強をしました。仲間意識、同じメンバーで向上心を持って学業に励むことの楽しさを知ることができました。先ほど挑戦へのスタートといいましたが、私たち理系のメンバーのほとんどに受験という大きな壁が立ちはだかっています。その大きな挑戦に向かって、今学期このような形で素晴らしいスタートが切れたことに、僕はとても刺激を受けました。
短い冬休みが明けたとき、高三が学校を離れた今、私たち高二はもう学校の最高学年となっています。最高学年になるといいことがあります。それは新館の三階を使えるようになることだったり、高三になれば赤ネクタイがもらえる事だったり。しかし最高学年になるということは、それだけ責任をもって学校生活を送らなくてはいけないということです。コロナウイルスの影響下にあっても、それは変わりません。残りわずかな立教生活、どれだけ有意義に過ごせるかにかかっています。来学期からはまた新たなスタートを切れるように。また学校に行くのが楽しみです。
(高等部2年 男子)