高3の夏休み。それは、高校生活最後の夏であり、受験の天王山である。一日中、好きなことをしてたくさん遊んでいたあの高2の夏休みから1年が経ち、今、僕は人生で最大の岐路に立たされている。今年4月に僕はとうとう高校生活のラストイヤーを迎えた。いわば、受験シーズンだ。
このシーズン前半、僕は自分が受験生だという自覚が全くつかめず、貴重な時間を愚かなことに使ってしまったこともあった。大学受験を超えて自分が何をするかで自分の人生が決まってくるんじゃないかと思った。まだ自分が将来にやりたいことが漠然としていたあの頃は何をすべきかも何も分かっていなかった。
時が過ぎ、今は8月の下旬。だんだんと何かモヤモヤしていたものが自分の目の前へと近づいてきた気がした。それは、自分の思い描く将来や展望だったりするものであった。こういうものがはっきり見えた時、僕は不思議とまるでスイッチが入ったように、自分の思い描く未来を実現させるため、スタートラインから一気に駆け始めた。たまに、失速して怠けてしまうこともあった。しかし、学費を払ってくれる両親、学校で面倒を見て下さっている先生方などを頭の中に思い浮かべると、立ち止まってはいられなくなり、またレースに参戦する。この繰り返しを約2ヶ月間のこの休みにしてきた。
自分のやっていることが正しいか、何か方法を誤っていないかと不安になる時もあるが、僕は自分なりにベストを尽くそうと踏ん張っている。これからが本番のクライマックス。少し怖いが、受験という目の前にそびえ立つ大きな壁を少しずつ登って行きたい。
(高等部3年生 男子)