高校三年生になる前、最後の春休み。学年のほとんどの人が受験に向けて、エンジン全開で走り出す準備を始めるだろう。
私も、もちろんその人たちの仲間だったが、一つ新しいことに挑戦することにしていた。それは、シンガポールの人たちとの交流を深めることだった。
両親がシンガポールに移住してから一年半がたったが、今まで特に現地の人たちと関わりを持つこともなく過ごしていた。ある時母が見つけてきたボランティアの会をきっかけに、今回シンガポールの人たちについて、国について、習慣について、いろいろ知ることになった。
この会は、趣味や大学時代に勉強したなどの様々な理由で日本語を学んだシンガポールの人たちと様々なお話をする会で、私にはとても興味深かった。私たちが学校で英語を勉強してそれを実際に使うときは、少し恥ずかしかったり、なかなか積極的に話しかけられなかったりするが、そこの会で出会った人たちは、上手く伝わらなくても、諦めずに、ゆっくり時間をかけて説明しようとしていた。その姿を見て、私は、私たち日本人に足りないものは一度言って伝わらなくてもあきらめない心と、伝わるまで頑張る心だと思った。
外国人との関わりが他より多い分、日本人の長所と短所がたくさん見えてきて、それがとても面白く感じられて、もっとたくさんの人と交流してみたいという気持ちに繋がったとてもいい経験になった。
今回学んだ諦めない心を忘れずに、受験をするときの面接試験などでもしっかり発揮できるといいと感じた。
(高等部3年生 女子)