高1生の冬休み(その2)

高1生の冬休み(その2)

今回の冬休みは、驚異のスピードで過ぎ去っていったなと思う。気がついたらこうしていつものように学校で生活している自分に今でも驚きを隠せない。

 簡単に冬休みを振り返ると、一週目は、やりたいことが山ほどあり、希望に満ち溢れる。二週目は休みという開放された気持ちに反して少しずつ勉強を始める。三週目はクリスマスを思う存分楽しむ。四週目は解けた気持ちに追い打ちをかけてさらなる大晦日やお正月のイベントも楽しみつつ、やるべきことも並行してやる。五週目はひたすら勉強ややり残したことを潰す。というような過ごし方だった。どちらかというと今冬休みは楽しむというよりかは、いかにうまく時間を使うことができるかというようなゲーム感覚で日々を過ごしていったような気がする。

 そのようにちゃんとしようと思うきっかけとなったのは、やはり姉の受験というのが大きい。姉は受験のために、早くも冬休み一週間で母と日本へ帰国してしまったのだ。私は、ずっと一緒に生活してきた姉が高校生を卒業して大人になるなんて今まで全く実感が湧かずにいたし、想像すると少し寂しく思えた。いつもの日常も、誰にも制御することのできない時間という枠によってあっけなく変わってしまうんだなと、何とも言えない気持ちになった。だから今できることをやっておかないとという少しの焦りと希望とが入り混じった気持ちでスタートしたのだ。

 しかしスタート早々思いもよらぬことが起こる。それは全然集中できないということだ。一日最低5時間は勉強時間を確保しようという計画を立てたけれど、全くもって上手くいかない。最初の二週間は特に、いざ実践しようとしても、こんなにも続けることができないのかと集中力を保つことの難しさに痛感したのだ。集中力が切れると勝手に映画の続きを考えてしまいいても立ってもいられなくなる衝動に駆られ見てしまうこともあったし、午前中に3時間も確保できたと調子の良い日であっても午後になるとだらけて終わりということもあった。そう思うと受験生はどれだけ日々自分と戦っているのだろうと、改めて凄さを実感したし、それをきっかけに私も高1という時間に余裕のあるときから少しずつやれることは頑張りたいなと日々気合を入れ直すこともできた。

 それでもなかなかうまくいかないときは、工夫もしてみた。例えば、絶対午前中にケータイを触らないために視界に入らない場所へ置く、Youtubeの人たちと一緒に一時間耐久してみる、集中力が切れて面倒くさくなったときは声に出して頭を整理してみる、ヨガでスイッチを入れ替える、やめてピアノの練習に励むなどのことをした。

 このように、上手くいかない日であってもあれこれ工夫したりすることは案外楽しかったし、予定通りでないからこそ日々新たな楽しみを見つけられたりという面白さもあった。そのように休みを過ごすことで、一人の時間の貴重さに気がついたし、どのようにその時間を使うかということを無意識に意識できるようにもなったと思う。

 これから学校生活はあっという間に過ぎて春休みになってしまうことだろう。時間はどうにも待ってくれないので、ダラダラと時間の流れのままに過ごすというのではなく、自分で上手く工夫をして時間をコントロールできるように短い期間を過ごせるようにしたい。

(高等部1年女子)