このお正月、私は祖母の家で過ごした。祖母は私が家を訪ねるといつも、やたらと日本らしいことを私にさせたがる。着物の着付けや、お正月になると書初めの準備を欠かさない。正直にいうと、今までは面倒だなと思ったこともあった。しかし、立教に通いイギリス人との交流が多くなると、海外の人から見れば、日本人は着付けや書初め(書道)が当然できるという印象を強く持たれていることを身をもって実感するようになった。実際には、現代の日本は洋服が主流で着物を着ることなどめったにない。書道も興味をもたなければ、小学校中学校の授業で少し習うくらいで、書道をする機会などなくなってしまう。
私は何のためにイギリスで学び、交流をしているのだろうか。生きた英語を学ぶ為、イギリスの文化に触れるため……。理由は様々だが、私が一方的に学んでいるだけでは、私が日本人である意味がないと感じる。私がなりたいのは、イギリスの文化を熟知した日本人ではなく、日本という国を外国の人に発信できる日本人だ。だから、最近では、祖母の勧める日本文化をとことんやってみることにしている。私が立教生でいる間、日本に触れられるのは長期休暇のときしかない。その時だけでも、思いきり日本に触れたいと思った。国際的な異文化よりも、日本の伝統的な文化に。そして、他のどの国よりも、日本に恥じない日本人になりたいと強く思っている。
この立教で生活し、日本では感じることもなかったことに気付かされたこと、そして、理想とする自分を見つけられたことは、私がイギリスにある立教に通っていることの意味であると感じ、残り一年になった立教生活をもっと意味のある有意義なものにしたいと思う。
(高等部2年生 女子)