9月24日(日)、中学生以上を対象に因数分解コンクールを行いました。
立教英国学院では、毎年度、1、3学期に漢字書き取りコンクール、2学期に因数分解コンクールを行なっています。誰でも得意不得意はあるものです。漢字書き取りコンクールで力を発揮できなかった生徒が、因数分解コンクールにおいてまた違った一面を見せてくれます。
高校2年生からはコース別カリキュラムとなるため、数学の勉強にはご無沙汰となっている生徒もいます。コンクールに向けて、毎日のホームルームを使って少しずつ問題に挑戦するように導いてきました。ある日のホームルーム、初めは諦めていた文系コースのある男子生徒が「俺、今回完璧だ」と自信満々に小テストを提出してきました。採点すると、確かに満点です。その生徒はさっそく皆に見せびらかします。するとそれが火を点けたのか、皆が徐々に真剣モードに切り替わっていきました。「私は関係ないことはやりませんから」と言っていた女子生徒が、回収の合図をしているのに「もうちょっとだけ」と食い下がるようになったり、わからなかったところを隣の生徒に聞いて悔しがっている生徒がいたり・・・。ホームルームが終わっても教室で問題を解きあっている生徒たちもいました。
中学生は、3年生になるまで因数分解は授業では扱いません。しかし、1年生のころから希望者に対する特別レクチャーを行っている現中学2年生の中には、夏休みも使ってコンクールのために準備してきたという生徒もいました。
本番の試験は、60分で100題です。後半になるにつれて難易度が上がっていきます。相当ペースよくやらないと最後までたどり着きません。生徒たちは開始の合図とともに勢いよく計算を始めました。
その教室に、もう一人、飛び入りの参加者がいました。たまたまこの日、久しぶりの母校を訪れた、3年前の卒業生です。とても優秀な理系の生徒で、現在は光合成の研究をしているとのこと。せっかくだから一緒にやっていきなさいと言うと、「因数分解なんて忘れてますよ」と言いながらも、参加してくれることになりました。座席も生徒たちの間にしました。後輩たちに混じって、かつてのように最後まで全力で解いていました。
この因数分解コンクールでは、立教生らしい、よい勉強のスタイルを垣間見ることができました。皆で全力で取り組み、切磋琢磨しあう。そうやって成長し、自信が生まれるから本番が楽しみなものになる。このようなよい循環が、同学年だけでなく全校規模で起こるのが立教らしいところです。一緒に取り組んだ卒業生も、きっと変わらない立教らしさに触れ、高校時代を思い出したことでしょう。
結果の優秀だった生徒は、速報で伝えられます。自力で挑戦した中学2年生の中にも、速報に載る生徒がいました。できるから楽しくなり、好きになるというよい流れが生まれていることを感じます。このコンクールをきっかけに、数学が好きになる生徒が増えてくれると何よりです。
参加した全ての生徒も、私たち教員も、結果をとても楽しみにしています。