9月18日、さわやかな秋の日曜日、立教英国学院はロンドンへ『JAPAN祭り』に外出してきました。
このイベントは、一昨年からはじまった大きな催しで、英国内の企業が出資し、様々な出店や企画がもうけられ、イギリスの方も在英の日本の方もとても楽しめるものです。今年はテムズ川向こうにビッグベン(国会議事堂)を、また目の前にロンドン・アイ(大きな観覧車)を仰ぐ、にぎやかで風景の良い場所で行われました。
今年は特に、東日本大震災から約半年、JAPAN祭りでも地震や津波の展示が設けられました。被災者の絶望と未来を見据えた力強い言葉の数々が英訳されており、メディアがまとめた書籍や日本語・英字新聞なども手にとって見られるようになっていました。バイオリンの奏でる日本の音楽をBGMに、亡くなった命やこれからの日本の復興など、様々な思いを抱かせるものでした。
この展示ではミニ・ワークシートが用意され、これを解きながらたくさんの方々が熱心に見て下さっていました。昨年は書道などのワークショップでボランティアを務めた立教生ですが、今年はこの地震・津波の展示ブースで説明をしつつ、ワークシートに取り組むお客様を助けるボランティアとして活動しました。小6から高1までの選ばれた生徒と、高2は上級生らしくすべての生徒が参加し、2人ずつペアになって、英国の大人の方にも子ども達にも熱心に説明をしました。先生方が心配する暇もなく、どんどん話しかけ取り組んでゆく生徒たち。ワークシートを解き終わってしまうと、「やることが少ない!」と頼もしい愚痴も聞かれるほどでした。学校がはじまって1週間、生徒達の感覚はすっかり英国に戻ってきたようです。
JAPAN祭りはさすがに大きな祭りで、たこ焼き、お好み焼き、寿司など本当にたくさんの食べ物が販売されると共に、和菓子や着物、和小物、陶器などの日本製品やら日本への旅行などまで様々な出店がありました。武道の披露もあり、剣道のほか、金メダリストの塚田選手が実演する柔道も見られて立教生も大いに楽しみました。
来場している日本の方もイギリスの方も、本当に日本に興味が深い様子で、ゆかたや着物をまとった方も少なくなく、武道実演者にイギリスの方が多かったことからも、いかに日本の文化がこの地で親しまれ、定着しているのかと思わせられました。もちろん伝統的なものだけでなく、アニメなどのコスチュームを着た英国人もいて、サブカルチャーまでも広く受け入れられている様子が窺われます。私たち海外在住の日本人にとっては、様々な意味で客観的に日本をとらえる機会ともなりました。
17時。祭りの午後のひと時を満喫して学校へ戻ってくると、机に向かって勉強している、おるすばんの高3生の姿が教室や図書館の窓から見えました。受験生はこの日も頑張っていました。