昨年の本校設立50周年を記念して開かれたRikkyo Cross Country Relay。
今年度は第2回大会として、現地校9校を招いて10月3日(火)に実施しました。
これは、昨年度の2倍以上の規模となり、スペシャルゲストとして陸上競技男子1500M走英国代表で世界選手権メダリストであるElliot Giles選手も招聘することができました。
大会冒頭では、Elliot選手直伝で一緒にウォーミングアップを行い、各レースでは出発合図をしてくださいました。そして、大会最後には、陸上トラック1周400mを世界のトップスピードに近い速度で生徒たちと一緒に走ってくださいました。優勝して、Elliot選手から直接メダルをかけてもらう瞬間の生徒たちの顔には充実感で満ち溢れていました。
Rikkyo Cross Country Relaysをきっかけに保健体育の毎授業での10分間走の実施、有志によるロンドン10KMレースや外部のクロスカントリーリレー大会への参加、高校3年生のPark Runの参加等、本校の課題の1つである体力の向上を図れたことはもちろん、スポーツを通じた国際交流の輪を広げることができました。
士気が高まると学校全体が勢いづき、そうした良い波長は様々な活動へと広がるものです。
今年度は、過去10年以上前から継承されている、「立教英国学院1500m走の歴代記録」の第1位が男女ともに更新されました。
今後も、多くの人と走る楽しさやその喜びを享受し、スポーツを通じた国際交流を通じて競技力のみに限らず人としての成長も目指していきます。
以下、今年度、立教英国学院1500m走の歴代記録を更新した生徒たちの作文です。
『挫折と挑戦』
クロスカントリーリレー大会を皮切りに始まった今学期は、トラックレースやクロスカントリーレースを通じて挫折と挑戦を繰り返しながらも大きく成長することができ、高校生活の節目となった。
クロスカントリーリレー大会は、イギリス発祥のクロスカントリーと日本発祥の駅伝を掛け合わせた競技として、昨年から立教英国学院が主体となって毎年2学期に行事として行われている。また、近隣の学校を招いて開催されるこの大会は、沢山の方々のサポートのもとで開催することができている。さらに、去年はJake Wightman選手、今年はElliot Giles選手とトップアスリートのサプライズや彼らの圧巻した走りを目の当たりにして世界のスピードを実感した。忙しい中で私たちのために学校まで来て、地元に還元しようとしてくれる姿に圧倒された。イギリスと日本の文化を複合させた立教英国学院ならではの競技を通じて地元の方々と交流できることや仲間とタスキを繋いでゴールを目指すことで育まれる絆はなんとも言えない、スポーツの力の素晴らしさを感じた。
私は高校生活の中で陸上競技に打ち込んできて、楽しかったことや嬉しかったこと、苦しかったこと、悔しかったことも含めて走ることを通じて成長できた3年間だった。目標達成のために練習を積み重ね、挑戦し続けてきた1500m。何度も挫折し、悔しい思いもした。怪我や貧血に悩まされ、練習が上手く積めないことも多かった。どんなにタイムが及ばなくても、苦しい中でも諦めずに走り続けてきたからこそ、達成できたときは言葉にできないほど嬉しかった。挫折を乗り越えるために試行錯誤を繰り返し、努力を重ねることの大切さを学んだ。私は大学やその後も走ることに関わっていきたいと考えている。これから先も目標を持って挑戦し続けることを大切にしていきたい。自分が走れるために支えてくれた人、応援してくれた人に感謝の気持ちを持って走り続けたい。(高校3年生女子)
『僕のスタート』
僕は、去年まで走るのが嫌いだった。だが、今は大好きだ。そのきっかけは今学期のロンドン10kmレースから始まった。夏休みには、10kmを完走できるように練習に励んだ。そして、毎日5kmを走ることを決め、だんだんとタイムが速くなっていった。僕は、中学のときにサッカーでたくさん走っていたため、ある程度の基礎体力はあった。そのおかげで、記録が向上したのだと思う。
2学期が始まり、体育科の先生たちのおかげで、走る機会が増えた。僕にとっての今学期のスタートは、ロンドン10kmレースだった。このレースでは、走っている途中でトイレに行ってしまって、タイムが落ちてしまったが、完走することができた。日本では絶対に経験することができなかったため、イギリスに来て良かったと心から実感した。そして、このレースをきっかけに自信がつき、走る熱が上がって、本気で走ろうと心に決めた。そこから、時間がなくて走れないとき以外は、毎日30分以上この学校の陸上トラックで走っていた。
ロンドン10kmレースから少し経ってから、 Rikkyo Cross Country Relay という大会が本校で行われた。日本では馴染みのないもので、芝や丘などを走る競技である。僕はこの学校に来るまでは、知ることがなかった。この大会では、陸上界でとても有名なエリオット選手が来てくれた。これは滅多にない機会である。そして、立教英国学院の周辺にある学校を招待して、開催された。この大会では、練習の成果も発揮することができ1位になることができた。大会の最後に、エリオット選手が陸上トラックを一周走ってくれ、世界の壁を感じたのを今でも強く覚えている。
そして、その2日後に、体育の授業で1500m走の計測があった。この学校には、歴代のトップ5までの人たちのタイム「立教英国学院歴代記録」がある。僕は、その中に入りたいと思っていたため、必死で練習をした。そしたら、歴代4位の記録を出すことができた。でも、ここで僕の挑戦を終えることはできなかった。僕は、さらに上の歴代1位を狙いたいと思った。そして、別日に設けられた記録会に参加することを決めた。翌日から、自身に今まで以上にきつい練習を課して、心身ともに自分自身を鍛え、高めた。そのおかげで、歴代1位となる記録を更新し、歴史に名を刻むことができた。色々な先生にも驚かれた。しかし、まだ自分自身はできると思っている。これで満足するのではなく、もっと上を目指したいと誓った。
僕が、こうして陸上に本気で取り組もうと思ったのは、体育科の先生のおかげであり、新しい目標を与えてくれて、とても感謝している。僕は、これからも陸上に本気で取り組み、来学期には1500mの自己ベストをたたき出そうと決意した。(高校2年生男子)