1学期のハーフタームが終わると、「2学期のオープンデイ、どうする?」と、どこからともなく「話し合わなくては」という雰囲気が漂い、クラス企画の討議がはじまります。期末考査前になると「これにしよう」「いや待てよ、こっちの方が」を繰り返し、いよいよ最終的に決まるのが7月初め。9月に戻ってくると、基本的な原稿書きが始まり、同時に、絵を描くため裏が白の不要なプリントを張り合わせて、大きな紙を作り上げる作業が始まります。
並行して、学年をこえて有志が集まるフリープロジェクト企画も立ち上がります。毎週日曜日に練習を重ね、完成へと仕上げてゆく企画です。
約2か月の時間を費やして出来上がる、オープンデイ。
うんざりするような話し合いを重ね、喧嘩もし、泣いたり落ち込んだり励ましあったり焦ったり… でも最後はまた元気を出して、それぞれのクラス企画、フリープロジェクトの作業にもどります。そんな毎日が終わり、11月6日(日)、ついにオープンデイ当日を迎えました。
力作のクラス企画を紹介しましょう。
小・中1の企画は、”TOTORO IN WONDERLAND”
日本を代表するスタジオジブリのアニメと、ディズニーアニメを取り上げて紹介。彼らのすごいところは、ジブリ・ディズニーを挙げつつ、双方の良さと特徴を考察したところ。ディズニーがヨーロッパの恐ろしい民話に題材を置きつつ、「子どもに夢を持たせるものでなければ」と考えていたこと。「ジブリは食事をするなど、普段あたりまえの生活を織り込んで描写するので、より現実的な作品になっています」「15歳前後の思春期をとりあげながら、環境、将来などのテーマが多い」・・・なるほど。だからこそ、夢だけに終わらず、作品のメッセージと共に何か惹きつけられるものを持っていたのか・・・おもわずうなずく思いでした。
中2は、”がらくたミュージアム”
とにかくアイディア大賞。10人に満たない人数で、リサイクルできるペットボトル、フタ、使い切ったマジックマーカーなどをひたすら集め、アートを製作。ペットボトルの巨大ロボット、CDを組み合わせて物体を作りそれに光を当ててシャーロックホームズのシルエットを作った作品、1000個近くの色フタを使った大きな顔など、中2にしては皆なかなかのアーティスト。展示の王道「文字の説明」によらない、非常に面白いクラス企画です。
中3は、”星の伝説”
12星座と琴座の伝説について、よく知られているけれど「そもそも何が発祥?」をもとに紹介しました。よく読んでゆくと、ギリシャ神話の神々の、いきいきとした生活が浮かびあがってきます。大神ゼウス、英雄ヘラクレスの登場の多いこと多いこと。ギリシャの神様はずいぶんと個性ゆたかだったようです。針金だけを組み合わせて作ったケンタウロスの像が赤く輝いて印象的。人が通ると電気がつくようにもなっており、クラスの先生の手腕が光る仕上がりでした。
高1は、”LOST IN AMAZON”
アマゾンに迷う旅人を主人公に、絵と模型を見せる明るい展示。高1のすべての技を集めて作成した、木にぶらさがる猿とからまる蛇。そして大口を開ける恐怖のワニ。教室をうまく使った、きれいなまとまりの展示でした。
企画展示最高学年の高2は、”いのち”
『世界が100の村だったら』という有名な本をもとに、クラスが最も大切な部分をピックアップ。なかでも東日本大震災と、今学期立教が体験した2日の断水をきっかけに水不足について掘り下げ、いのちの大切さ、私達が立ち向かってゆくことの大切さを伝えようとするもの。全校アンケートを実施して私達のゆたかな生活水準や生きてゆく上で求められるものを知ろうとし、水不足、飢餓、地震などの統計や新聞、写真をまじえ、前を向いて生きてゆく人の姿を、最後に『スマイル』スペースに散りばめました。
フリープロジェクト企画は、 劇、ダブルダッチ、チャリティー、ダンス、ドミノ、剣道、茶道が行われ、それぞれ熱い発表の成果が披露されました。
この長い1週間、生徒たちは全エネルギーを出し切って、さぞかし疲れたことと思います。すべてのとりまとめを行い、学校行事としての完成に導いた、高1・2のオープンデイ本部員、係の生徒のみなさんもお疲れ様でした。