例年になく暖かい日が続いた学期末。雨も毎日のように降っていました。高校3年生とのお別れの日となる終業礼拝前日もどんよりとした時折小雨が降る冴えない天気。夜は随分雨の音が聞こえていたのですが、一夜明けると真っ青な空が広がる穏やかな天気になっていました。
朝のホームルームで成績表が渡されると、いよいよ終業礼拝。高校3年生にとってはこの礼拝は卒業式と同じです。来学期は日本での受験のため学校に戻ってこない者が大部分だからです。礼拝が始まる前からキャンパスのあちこちで後輩達と写真を撮り合ったり、カードを交換したりする姿が見られました。ちょっと照れくさそうに微笑みながら、まだピンとこない「お別れ」の最初のひと時を過ごしていたようです。
10:30、終業礼拝が始まりました。高校3年生のアコライトを先頭に先生方がプロセッションを組んで入堂。この日は高校3年生の保護者の方々もたくさん参列していました。いつもの終業礼拝と同じように始まり、校歌斉唱の後は各教科からの表彰。英語資格試験、リーディングマラソン、読書感想文や因数分解コンクール等、高校3年生の名前が何度も呼ばれ、その最後にふさわしい表彰となりました。そして式辞…
高校3年生の担任、東先生による式辞でした。この学年と3年間一緒に過ごした日々をユーモアたっぷりに振り返りました。緊張気味のちょっと複雑な気持ちで聞いていた高校3年生ですが、その担任の先生の話に思わずプッと吹き出した後はもういつもの顔にもどっていました。その話を聞きながらいつのまにか数年前にタイムスリップして思い出の日々を先生と一緒に追体験していたようです。東先生の話はとてもロマンチックで、文学的でもあり、そしてユーモアに溢れていました。生徒たちの顔も思い出の数と同じだけ変化していました。真剣な眼差しで聞いていたかと思うと急に吹き出して笑ったり、次の瞬間にはもうポロポロと涙を流していたり… 3年間の思い出が凝縮された10数分間を、高校3年生だけでなく、参列した保護者の方々、後輩達、先生方… みんなで共有することができた、とっても温かい気持ちになれた最後の終業礼拝でした。