金曜日、高校3年生の担任の先生が日本に何本も電話をかけていました。この週末に日本では大学入試センター試験が行われましたが、その前に日本で受験勉強をしている高校3年生たちに励ましのメッセージを伝えていたのでした。毎年この時期になるとよく見かける光景ですが、同じくこの時期には全校でセンター試験「英語」を受験するというイベントがあります。小学生から高校生まですべての生徒が、日本で高校3年生の先輩達が受けたばかりの試験を実際に受けてみます。
「えっ!私達も受けるんですか?!」
今学期入学したばかりの中学校2年生女子生徒が、ホームルームで連絡があった時にびっくり仰天。するとすかさず、隣にいた生徒が、「そうだよ、私達も去年受けたもん。」
「K君とか、Tさんとかは中学生でもかなり取れるしね。」
先学期行われた全校TOEIC受験では中学生で900点をとった生徒もいたので、高校生も安心していられません。食事の席で中学生と高校生がその日の夜に行われるセンター試験について語り合うのも本校ならではの光景かも知れません。
採点はその日のうちにクラスの先生が行います。中学校1年生の担任の先生がおっしゃっていました。
「この子は随分伸びたね。去年小学生だった時は、マークシートだからもちろん当てずっぽうなところがほとんどだったけど、今年は90点以上とれているから、これは偶然じゃないね。本当に力がついてきたってことだと思うよ。さっきそのことをクラスで話したら、他の生徒も随分刺激されたみたいで、彼らのこれからの英語への取り組みが楽しみですね。」
高校2年生の担任の先生は採点の結果を見て興味深い発見をしました。
「おもしろいですよ、リーディングマラソンを毎日やっている生徒の答案。右側の長文読解の正答率が他の生徒に比べて圧倒的に良いです。これ、統計とると面白いかも知れませんね。やっぱり普段から文章を読み慣れているとこういう所で力が発揮されるんだなぁ…」
リーディングマラソンとは本校で6年ほど前から実施している速読奨励システム。ちょっと大げさに聞こえるかも知れませんが、要は毎日英語の新聞記事を読み続けよう!という全校的な取り組みです。成績とは関係なく参加したい生徒が参加したい時に行うものです。とは言っても小学生から高校生まで、毎日半数近くの生徒が参加しています。こんなところでもその成果が表れるというのは、きっと参加者にとってこれからの励みにもなると思います。