中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第6回

中3国語で今道友信氏の「温かいスープ」を読んで国際性とは何かを考えました。ー第6回
一人一人の人間として
 僕はフランスで夏休みと冬休みの二ヶ月間を過ごしました。その二ヶ月で感じた日本との違いは、フランス人というのは、ささいなことから外国人である自分によく話しかけてくれるということです。
 我が家では犬を飼っているので、朝と夕方の一日二回散歩に連れて行きます。その散歩の途中にフランス人とすれ違うと、挨拶をしてくれたり、犬の頭をなでてくれたりします。そしてその後、犬の名前や犬種、オスかメスかをきいたり、かわいい犬だねと言ってくれたりもします。ほんの少しの会話だけれど、話しかけてくれて自分でもちょっとだけ話せたと思うとなんだかうれしい気持ちにもなってきます。
 ところが、日本でだったらどうでしょうか。僕が外を歩いていて、外国人が犬の散歩をしているところにすれ違ったとしても、話しかけることはないと思います。むしろ、その外国人から話しかけられたらどうしようと思って少し避けて通ると思います。僕だけじゃなくて多くの日本人がそう考えているんじゃないかと僕は思います。
 一つの例ではあるけれど、このように日本では外国人を外国人という一つの種類で見ているけれど、外国人は僕たち東洋人などを、「東洋人だから・・・」なんて言わずにコミュニケーションをとろうとしてくれています。こういう風に、日本は日本、外国は外国という区別を付けるのではなく、同じ人間として見ていくことが大切だと思います。
 これらのことから、僕は人種や出身国なんか関係なく同等にふれあっていくことが国際性なのではないかと思います。井上ひさしさんの「握手」にでてくるルロイ修道士の、一人一人の人間がいるだけというような考え方が、日々僕たちに求められている考え方なのではないでしょうか。
(中学部3年 O君)