大家族と小家族
本校の大きな特徴のひとつに「大家族体験」があります。100名を超える生徒と教職員が生活をともにし、「学ぶ場」としてだけではなく「暮らす場」として生活空間を共有しています。少子化が進む現代においてはこれがお互いを思い遣って生活していく術を学ぶ絶好の場にもなるわけです。
全校生徒と教員が共にとる3度の食事、そして教員が寮監をも務める「一人部屋のない」寮生活 —- これはまさに「大家族体験」の根幹をなすものですが、実はそのもとにさらに各クラスのホームルームという「小さな家族」があり、この「小家族」こそが本校での生活における最小単位として大きな存在意義をもっています。
各ホームルームは基本的に10名〜30名の生徒で構成され、それに2名〜3名の担任/副担任の教員がついています。
夕食後の「ホームルーム」が持つ意味
全日制の学校は放課後で終わってしまいますが、全寮制である本校では、この後の夕食から就寝までの時間がまたひとつ大きな意味を持っています。
夕食後に生徒達は各クラスのホームルームに集まり、担任の先生からの諸連絡を聞きます。そしてその後は各ホームルームで20分のブレイクを挟んで就寝までの自習となります。低学年はこの自習時間中に日記を書いたりドリル練習をしたり、担任の先生が作る漢字や計算、英単語等の小テストを受けたりします。もちろん宿題やその日の授業の復習も行いますが、わからないところがあればホームルームの先生にいつでも気軽に聞くこともできますし、教員室にいる科目担当の先生に直接質問することもできるようになっています。
高学年はホームルーム後も1~3時間の授業が入りますが、その後は低学年同様就寝まで教室で過ごすことになります。もちろん生徒会活動やクラスの話し合い等もこの時間帯に行われますが、基本は「ホームルーム」での自習です。
友達と一緒に勉強することの意義
「勉強は寮の一人部屋でないとはかどらない。」と入学当初よく愚痴を漏らす生徒もいますが、学習をする時の集中力は逆に多くの友達の中で勉強していくことで鍛えられていきます。また、周りの友達とともに自習できることはお互いの学習への刺激にもなりますから、教員が共にいる秩序あるホームルームでの自習はかなりの学習効果を生みだしています。
ホームルームの教員もそれぞれ独自の工夫を凝らして生徒達の学習や生活のアシストをします。低学年では毎日生徒の書く日記にコメントを入れたり、小テストの点数を記録して掲示板に貼って集計をとったり、その日の宿題の確認をしたりと生徒の様子の把握には常に気を遣っています。
高学年でも同様で、自習に集中できない生徒の相談にのったり受験指導の面接をしたりとホームルーム担任はまさに親の代わりといったところです。