7月27日から8月5日の10日間、「UCL Japan Youth Challenge」が開催されました。このサマースクールは、立教英国学院、ケンブリッジ大学、UCL(University College London)を会場として行われます。ワークショップや一流の研究者の講義、ディスカッションやプレゼンテーションに参加することを通じて、日本および英国の高校生が多くのことを学びます。また、英語を使いながら寝食を共にする10日間の様々な場面で互いに交流を図ることができるプログラムです。本校からは6名の生徒が参加しました。今年度は本校卒業生でロンドンの大学に通う学生もボランティアとして参加しており、当時を懐かしみながら多くの活動を共にしました。
最初の2日間は立教英国学院での活動です。サマースクール全体や英国に関する簡単な導入があった後で、スポーツやバーベキューを通じて交流を深めます。日本各地、イギリス各地からの参加者が互いを知る機会として、アイス・ブレイキングを行いました。
次の3日間はケンブリッジ大学での活動です。ケンブリッジ大学内のロビンソン・カレッジに滞在し、一流の研究者や大学の先生からの講義をすべて英語で受けます。合間にあった、パンティングを含むケンブリッジ市内観光でも多くを感じ取った様子でした。また、このプログラムを支えている英国の大学に通うボランティア学生からの講演も参考になったようです。イギリスの大学での研究の様子や留学の実際を直接聴くことのできる貴重な機会となりました。
残りの5日間はロンドンに移動し、UCLでのプログラムが本格的に始まります。インターナショナル・ホールに滞在しながら、大学構内で多くの活動を行います。講義を聴くだけでなく、自分の意見を述べたり、グループで互いにやり取りしたりをすべて英語で行います。公開シンポジウムで発表する機会もありますが、こちらも現地イギリスの人たちに対してすべて英語で行います。大変そうな場面もありましたが、それを乗り越えることによって、ツールとしての英語に留まらず、主体的に意見を述べたり、多様な環境の中で互いを認めたり、多くを学びました。また、参加している生徒たちの友情は日を経るに従って深くなっていくようでした。
UCLでの活動は、英語による学校紹介プレゼンテーションから始まりました。本校の参加生徒も英語でのプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションの途中では、立教英国学院に関するクイズを何題か出題し、会場とのやりとりを積極的に行っていました。その後に、明治維新150周年記念公開シンポジウムおよびレセプションがありました。UCLは幕末に長州藩や薩摩藩からの学生を受け入れた大学としても知られています。このシンポジウムやレセプションは、伊藤博文や森有礼など、日本の近代化に貢献した人物が実際にUCLで学んだことや彼らの偉業を記念した催しとなりました。
このUCLでの活動のメインは、グランドチャレンジ・ワークショップです。このワークショップでの内容は、公開シンポジウムで発表します。英語での発言、議論、発表など、多くの事柄がチャレンジングなものとなりました。今年度の主題は「Our Life in Ageing Society」です。日本語でも考えることが難しい内容を、英語で扱いました。初めのグループでの議論を基礎にして、切り口を変えながら全体として理解を深めていくワークショップでは、自分の意見を持つことや相手に質問をすること、さらに相手とやり取りをすることが求められます。半日を使ってしっかりとした内容を組み立てたあとは、各グループに分かれて数日かけて発表の準備を行います。発表内容を考えたり、ポスター作製をしたり、手分けをして全体としての完成を目指しました。発表の場としての公開シンポジウムは、10日間の中で最も大きな講堂で行われました。一流の研究者達の講演リストの一部として発表は行われました。発表が終わった時の全体としての達成感は大きかったことでしょう。
10日間の締めくくりは修了式および打ち上げパーティです。別れを惜しみつつ、この機会に集まり、学べたことや交流を深められたことに感謝しながらプログラムは終わりました。スタッフやボランティアの方々への感謝も自分たちから積極的に行う様子はとても感動的で、その場で時間を共有できたことを光栄に感じました。最後の最後まで集まった日英の生徒たちがやり取りをし、多くのことを残そうとしている様子は大変印象的でした。
この10日間のサマースクールは、生徒たちにとって掛け替えのないものとなったことを確信しています。多くのことを学び、共有できた機会でした。