本校教員がこの夏、熱気球に乗りました。
* * * * *
午前7時、真赤な熱気球に吊り下げられた籠がフワリと空中に浮き上がった。瞬く間に、眼下に見える、牛、羊達の姿は点のように小さくなっていく。サセックス州、フェンハーストから飛び立った熱気球は風まかせのまま、北東の方向に流されていく。高度は一時2000フィート、約600メートルまで上昇、それほど高さは気にならない。時折、ガスバーナーの轟音がなるものの、熱気球は静かに早朝の南イングランドのパッチワークのような牧草地帯を進んでいく。眼下には朝日に照らされ、長く伸びた影のシルエットと目にしみるような緑のフィールドが見渡す限り広がっている。ダンスホールドの飛行場、優雅なお屋敷が集まっているユーハースト、白鹿が駆け回るハスコムをゆったりと進んでいく。早朝の霞がかかった運河やうっそうと茂った森の上を飛びながら、普段は感じることのない、南イングランドの良さを改めて感じる。風まかせの熱気球はいつしか、国道281号沿いのグラフォンにある刈り取られた菜種油の畑に静かに着地。一時間あまりの熱気球の冒険は終わった。何て静かで緑豊かな南イングランドの風景なんだ。 (⇒写真)
(本校教員)