10月25日、イギリスと日本を拠点にソリストとして精力的な活動を展開するヴァイオリニスト、川畠成道氏を本校にお迎えしてコンサートとワークショップが開かれました。一昨年、去年に続いて3回目の来校です。今回のワークショップには、11月にロンドンで行われる創立40周年記念コンサートでヴァイオリン演奏をすることになっている中学校3年生と高校1年生の女子2人が参加。それぞれ30分ずつ川畠さんからマンツーマンでヴァイオリンの手ほどきを受けました。
世界を舞台に活躍するヴァイオリニストに直に指導してもらえるとあって最初は緊張の面持ちでしたが、ロンドン記念コンサートでの演奏に抜擢されたこの2人ですから、練習が始まって曲を弾き始めるとすっかり落ち着きを取り戻し、疑問に思っていた技術や曲想作りについても積極的に質問をするなど、時間の許す限り熱心に川畠さんのアドバイスに耳を傾けていました。
「かなり良い感じで仕上がりつつありますね。」
最後に嬉しい感想を頂いてニッコリ。ロンドンコンサートに向けてまた1つ自信がついたようで、2人にとってはとても貴重な経験になりました。
毎回精力的にワークショップをして下さる川畠さん。その後はそのままステージの上で1時間のリハーサルを終え、夕食は生徒たちと一緒にホールで召し上がりました。そしてコンサート本番…
7時を過ぎた頃から地元イギリス人の方々が続々と到着。本校での川畠さんのコンサートも今年で3回目とあって、楽しみにして来る方も大勢いらっしゃったようです。高校1年生と2年生が夕食後にテキパキと動いて作り上げた約300席の会場がほぼ一杯になるといよいよステージ上に川畠さんとピアノアカンパニストの今井氏が現れ盛大な拍手がおこりました。
まずはモーツアルトのヴァイオリンソナタ、そしてブラームスのソナタと続いた後、10分のブレイクを挟んでSzymanowski、Wieniawskiと現代的な曲を披露。最後は皆に馴染みのあるカルメンのテーマを使ったWaxmanのCarmen Fantazyで終わりました。
艶やかでしかも限りなく透き通ったその魅力的なヴァイオリンの調べは、時に優しく、そして時に力強くホールに響き渡り、この夜ここに集まった人たちを不思議な魔力で魅了してくれました。
「どんな曲でもクライマックスは1つだと思って下さい。いろいろなところに盛り上がりを作ってしまうと曲がよく分からなくなってしまいますからね。この1つのクライマックスに向けて曲を作り上げていくことが大切ですよ。」
ワークショップで生徒にして下さっていたアドバイスの意味がはっきりとわかったような気がする素晴らしいコンサートでした。