長かった2学期が終わり日本に帰国すると、私の住む街はすっかり様子が変わっていた。私の住んでいるマンションの目の前やすぐ近くには、東京オリンピックの施設が続々と建設されている。夏には地面を掘り返して土台を作っている状態だった体操競技の体育館には屋根がもう半分くらいできていて、その輪郭が浮かび上がっている。その先に建設されている有明アリーナも負けないスピードで工事が進み、巨大な箱になっていた。テニスの森ではコロシアムの改築、屋外のテニスコートにはウィンブルドンのように立派な観客席が作られている途中で、長い首をしたクレーン車が、その首をゆっくりと上下に動かしているのが見える。国際展示場駅前にはいつの間にか大きなホテルができた。晴海の選手村は建設中だ。新しい道路も開通した。開場が延期になっていた豊洲市場も営業を開始し、今まではあまり人通りのなかった市場周辺に観光客の姿が見られるようになっている。車の流れもすっかり変わった。
東京オリンピックに向けて東京が変わろうとしている。オリンピックが開催されるのは2020年、高校3年生の夏だ。この頃には卒業後の進路が具体的になっていなければならない、と考えると身の引き締まる思いがする。将来何を目指し、何をしていきたいのか。最近はそんなことを考える時間が増えた。自分の目標に向かってやるべきこと、これから挑戦していきたい課題なども今の私にはたくさんある。
進化や発展は、変わろうとする意識や掲げる目標、そして積み重ねがあってこそのものだろう。変わりゆく風景を見ながら、常に進化し続ける自分でありたい、と強く思った。
(高等部1年生 女子)