高校3年生の先輩が部を引退してから、半年以上が経ち、今のチームでのバレー部の活動もやっと板についてきた。先輩に頼っていれば良かった2年生が、自分たちのチームを作ろうと、自分たちのバレーをしようと、日々練習に励んできた今日までの日々は、本当にあっという間だった。
今日の相手であるEpsom Collegeは、2学期にも対戦した相手であり、女子にとっては初めて「負け」を経験し、このままでは勝てない、自分たちにはもっと努力が必要だ、と感じさせてくれた相手であった。あの頃のみんなは、来たボールを返すことに精一杯で、向こうから飛んでくる強いサーブやスパイクに、ただ驚くばかりであった。
「3回でボールを返す」そんなことさえままならなかったのだ。
でも、そこから、「もっと上手くなろう。」「もっとこんな風に出来るようになりたい。」
そんな思いが彼女たちの中に沸き始めた。私はそばで見ていて、言葉にはしなくともそれを感じた。なぜならば、バレーの本当のおもしろさは、負けることで初めて気付き、勝つことで実感出来るからだ。彼女たちは、それに気付き始めていた。
そして、今日の彼女たちは違った。あの時とは見違えるようなプレーだった。
ボールに積極的に向かい、声を出し、セッターにボールを返し、攻撃につなげようとする姿。
簡単にネットに引っかかっていたサーブが、ほとんど相手コートに届く。
それは、彼女たちの技術が上がったことはもちろんだが、ボールをつなげたい。点を取りたいという思いが、増したからこそであると思う。
「ボールを簡単に落とさない」
これは、バレーだけでなく、日常生活を含め全てのことにつながっていると思う。一つひとつのことを、丁寧に、簡単に諦めずに、追いかけ、つなぐということは、彼女たちがこれから切り開いていく未来への道をどう歩んでいくかに、きっとつながっている。
今日得ることが出来た勝利を自信に、今日感じることが出来たチームワークを自信に、また次への一歩を踏み出して欲しい。そしてその自信を、未来につなげて欲しい。
相手チームのメンバーとの仲も以前より深まり、笑顔で話をしたり、写真を撮ったりする姿は、バレーというスポーツを通して得た、かけがえのないつながりであると言えるだろう。
英語がどうとか、そんなことはいいんだ。同じ時を、同じ目標を持って頑張っている私たちは、何人であろうと、一つのボールを追う、プレイヤーなのだから。