1月31日に、本校と教育連携の関係にあるCollyer’s Collegeのミラー先生が本校を訪問され、Research Projectの一回目の授業が行われました。本校からは12名の生徒が参加し、大学で必要とされる思考力・リサーチ力を養成するための授業に熱心に取り組んでいました。
Research ProjectはCollyer’s Collegeでオックスブリッジをめざす生徒に行われている授業で、立教生はこの授業を受けることで、英語力だけではなく、批判的な思考力や分析力、論文構成力を身につけていくことになります。
本校から参加したのは中学3年生から高校2年生までの12名。開始の前から、どのような授業が行われるのだろうと緊張する姿も見られました。ミラー先生は、Research Projectの経験を豊富にお持ちで、多数のオックスブリッジ入学者を育てるとともに、教員養成にも取り組んでおられます。
今回の授業の目的はResearch Projectのガイダンスと自分の研究テーマの決定の方法について。まずは一分間の時間が与えられ、生徒たちは自分が何に興味があるのか、何について調べたいのかを一生懸命考えていました。一分が経つと、ミラー先生は生徒一人一人の興味のある分野を聞き出します。
生徒たちの興味は、食生活や服飾といった身近なことから宇宙や数学、社会に関わる問題に至ります。ミラー先生はそれらの分野から、リサーチで取り上げる「問いかけ」の組み立て方のヒントを生徒に与えていきます。例えば、「服飾」に興味があるのであれば、どのような服飾に興味があるのか、最近のものか、伝統的なものか。さらに、日本のものか、イギリスのものか。さらに、その「問いかけ」に対してどのような調査を行うか。一次資料を用いるか、二次資料を用いるか。こうしたミラー先生の質問の連続に答えながらproposal=論文計画書を作成していきます。
自分の頭で考え、答えを探していくという普段の授業とは異なる刺激的な時間はあっという間に時間切れ。この時間で考えたこと、さらに考えねばならないことをまとめ、論文計画書としてミラー先生にメールで提出することになりました。
提出された「問いかけ」の例を挙げると;”What is our world going to be like if we were in a controlled society?” “What makes human so excited about exploring the universe and what benefits will be expected from it?” “What can we do for saving children in Syria from disease?” いずれも生徒自身が、わずか3日間で導き出した「問いかけ」です。
英国で行われている実際の教育を継続的に受けながら、論文を書き上げる―このプロジェクトを通して、生徒たちは知的に格闘し、さらに成長してくれることでしょう。私たち教員にとっても、とても刺激的な時間となりました。