小学部5年生の国語科では、「物語を作ろう」という単元で、写真から湧き出るイメージを基に、自分なりに物語を考え、作品にしてみるという学習をしました。まずはいつ、どこで、誰が、何をしたというところから、どんな展開でお話が進んでいくか、構成を考えました。
その中から、作品をご紹介します。
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魔女ねこになりたい普通のねこ
(小学部5年生 女子)
ハロウィーンの1週間前ぐらいの日、ペットのねこ「チビ」の飼い主「こうすけ」が、「魔女ねこピエール」というアニメを見ていました。
チビは、こうすけが魔女ねこのアニメを見ていて、うれしそうだったので、ぼくより、魔女ねこの方が好きなのかなあ。と思いました。チビは、考えるときにねころがって目をとじるくせがあるので、それをして考えてみました。そうしたら、「ぼくも魔女ねこになればいい」といういい考えが見つかりました。また考える体勢になって、どうしたら空を飛べるのか考えてみたら、ジャンプを何回もすれば空を飛べるだろうと考えました。
コケーコー!にわとりコッコが、6時のアラームを鳴らしました。いつもは朝、遅くまで寝ているチビですが、教はちがいます。コッコのアラームで起きました。昨日立てた計画で、こうすけの家の庭で、ジャンプを何回もしました。何回もジャンプして飛べなかったチビは、すごくつかれたので、しばぐの上にねっころがり、考えました。
「どうしたら、空を飛べるのかなあ・・・あ!物知りのジャンピーに聞けばいいんだ!」
次の日、チビはまたコッコのアラームで朝早く起きました。ジャンピーの家は、チビの家からすごく遠いので、食べ物や飲み物をかついでジャンピーの家に行くことにしました。実はチビは、人間が見ていない所では、2本足で歩くことが出来るのです。しかも、人間には伝わらない言葉を動物どうしで話せるのです。この日は、チビがコッコに、無理やり3時に起こせと言ったのです。3時には。あまり人間がいなくて、かついで歩けるからです。途中で、まいごになったりしたので、犬のおまわりさんに助けてもらいました。
ジャンピーの家は、森の奥の大きい池にあります。森でチビは、新しい友達を作りました。その友達は、川に住んでいる大家族のホタルたちです。チビは、この暗い森を歩いていて、前が見えづらいなーと思っていました。そしたら、1匹のホタルが、
「ねえ、前見づらくない?見づらかったら、僕たちの光のパワーで周りを明るくするよ!」と言ってくれました。そしてチビは、
「ありがとう。明るくしてもらえるとうれしいな!」
と言い、ホタルたちが前を明るくしてくれました。
ホタルたちと歩いて、15分かかりました。やっと、物知りのジャンピーの家に着きました。ジャンピーが、チビの方にジャンプをしながら向かってきます。
「やあ、ひさしぶりだね。」
とジャンピーが言い、チビがそれに続いて、
「ひさしぶりだね!僕の友達のホタルくんたちだよ。ホタルくんたちは、川で出会って、ぼくの目の前を明るくしてくれたやさしい子たちなんだよ。」
と言い、ホタルたちは少し照れました。ジャンピーが
「僕の家に入りなよ。ホタル家族もどうぞ。」
と言い、みんなジャンピーの家に入りました。ジャンピーの家には、大きな本から小さな本、たくさんたなにならんでいます。「ホタルの本」という題名の本があったので、ホタルたちはその本を読んでいました。その間にチビとジャンピーは、魔女ねこピエールのことについて、話しました。ジャンピーが地図を持ってきて、ピエールの住んでいる「魔法の森」を指差しました。
「この森はすごくあぶないから、行かないほうがいいよ。」
と言いましたが、チビは
「ぼくはぜったいに行って、魔女ねこになってやるぞ。」
と言い、ジャンピーからもっとこまかいことを聞きました。ジャンピーから、
「ここからピエールの所は遠いから、特別ほかの家にある5つのくだものを持っていっていいよ。」
と言われました。そして、ジャンピーのフルーツを持って魔法の森へ行きました。
「ようこそ!わが国、魔法の森へ。」
とガードマンが言いました。チビは、
「ねえ、君、今わが国と言ったけど、なんで、「魔法の森」なの?」
と聞きました。そして。ガードマンは何にも言いませんでした。いろいろなガードマンに会って、助けてもらい、やっとピエールのお城に来れました。お城はすごくでっかくて、かっこ良くて、感動しました。
ピエールに、
「ぼくを魔法のネコにして下さい。」
と言いましたが、ピエールは。
「君はふつうのネコ。今のその君でいればいいんだ。」
と言われました。
・・・
「チビ~~!」
こうすけが呼んでいます。あれは、チビが夢を見ていたのです。チビは、こうすけといっぱい遊びました。やっぱり、こうすけは変わらずにチビが大好きです。
このふしぎなチビの夢のお話は、ここで終わりました。