7月17日~7月20日まで本校に宿泊して行われたプレ・ワークショップに引き続いて、7月21日~27日までは、ケンブリッジ大学に場所を移して、日英ヤングサイエンティスト・ワークショップが開催されました。ケンブリッジ大学の研究者の指導の下、日英の同年代の若者達が共同で研究テーマに取り組むというのは、なかなかできない体験です。
初日の午後は、宿泊先の嘉悦ケンブリッジ教育文化センター(マリーエドワード・カレッジ学生寮内)に到着するとすぐ、イギリス側の参加者と初対面しました。外で立ったままリフレッシュメント(飲み物など)をとりながら、日本人とイギリス人の高校生達が入り混じり、あちこちで自己紹介が始まりました。中には日本語で挨拶してくれるイギリス人高校生もおり、日本側の参加者達の緊張もほぐれたようです。
2日目は、朝からプロジェクトメンバーの顔合わせがありました。日英の参加者達は、10あるプロジェクトチームのうちの1つに、それぞれ配属されました。立教英国学院の3名は、『Astronomy-Star Wars: What happens when stars collide?』と『Engineering – Wireless Sensor Networks for Infrastructure Monitoring』、『Genetics – Visualising chromosome behavior during cell division using fluorescence microscopy』に入りました。 どれも最先端の研究テーマです。
その日の午後にプロジェクトがスタートすると、生徒達はケンブリッジのあちこちにある最新の設備が整った研究室に移動しました。彼らは言語の違いにも怯まず、研究者の説明に熱心に耳を傾け、それぞれの研究テーマに果敢に挑戦し始めました。最終日には、プロジェクトチーム毎に成果をまとめてプレゼンテーションをすることになっていましたから、受け身では居られません。わからないところは積極的に研究者に質問したり、時々ファシリテータにサポートしてもらったりしながら、日英の高校生達が協力して研究に取り組みました。
プロジェクトは朝食後から夕食前まで連日続きましたが、夜は日英の参加者達の友好を深めるべく、様々な交流会が開かれました。プレゼント交換やスポーツ交流に加え、日本人の生徒達は簡単な日本語の挨拶を教えたり、一緒に折り紙やゲームをしたりしました。書道の企画では、イギリス人の生徒達の名前を漢字の当て字で書いてあげるのが、大変喜ばれたようです。また、イギリス人の生徒達は、自国に関するクイズショーや歌などを披露してくれ、非常に盛り上がりました。また、ワークショップ終盤のある午後には、ケンブリッジ市内を観光する時間もあり、生徒達はしばし難しい研究を離れて、パンティング等を楽しみました。
そしていよいよ、プレゼンテーションの日がやってきました。会場には、プロジェクトの参加者以外にも、スポンサーや研究者等をはじめ多くのゲストの方々が来場され、満員でした。そんな中で、母国語ではない言葉で、外国人のチームメイトと一緒に、サイエンスの最新の研究分野についてのプレゼンテーションをするというのは、全く簡単なことではありません。しかし、引率教員達の心配をよそに、どのプロジェクトチームも素晴らしい発表をしてくれました。生徒達の熱心な探究心と吸収力には本当に感心しました。また、それぞれの発表の後には、質疑応答や意見交換が活発に行われました。この部分は、事前に原稿を用意しておくことができないので、本当に研究内容を理解していなければ、対応できません。日英の高校生達と大人達を前に、堂々と発言する生徒達の姿は、まさにヤングサイエンティストの貫録でした。
充実した時間はあっという間に過ぎ、ケンブリッジを離れる日が来ました。生徒達は将来日本かイギリス、または世界の研究室で再会することを誓って、お別れをしました。イギリスと日本の間には、文化の違いもあれば、言語の壁もあります。しかし、サイエンスという共通の興味の前では、それは越えられないものではないようでした。これからの世界を担っていくヤングサイエンティスト達にとって、この一週間は、非常に貴重な経験となったことと思います。