3月4日(土)、2016年度卒業終業礼拝が執り行われました。小学部2名、中学部19名、高等部50名、計71名の門出です。高等部3年生の生徒の多くは大学受験のため日本に帰国していますが、卒業式に参列するために18名の生徒が帰寮しました。
礼拝が始まりました。初めに聖歌、式文の唱和、そして中学部3年の卒業生による聖書朗読。礼拝の流れはいつもと大きく変わらぬ進行ですが、卒業式としての独特で厳粛な空気の中で式は進んでいきます。
卒業証書授与に先立ち、校長先生から当日のチャペルに飾ってあるひな人形についての話があります。第1回卒業生のうち2名が、日本にいて卒業式に参列出来ない友達を代表してはるばるイギリスの地に運んでくれたそうです。以来、毎年その場所から静かに式を見守っていてくれます。普通の学校だったら、皆が集まるはずの卒業式。しかし異国の地にある本校では、受験生全員が再び集まることはできません。ひな人形は、そんな受験帰国生の思いを乗せる、そして卒業式に臨む生徒達が日本で頑張る仲間のことを思う、そんな大切な役割をもって飾られているのです。
元気な声で答える小学6年生、義務教育を終え、すっかり頼もしくなった中学3年生、そして名実ともに大人になった高校3年生。順番に名前がよばれ、証書を受け取っていきます。3つの学校の卒業式が一度に行われるのは本校ならでは、そしてそれを誰もが心の底から祝えるほど関係が密になっているのも本校ならではです。彼らが皆大家族として生活してきた集大成が、この式に表されていると感じました。
式の終盤には各卒業生代表によるスピーチもあります。小学6年生は得意の英語で立教で成長したことを語ってくれました。中学3年生は思春期の大切な3年間をずっと支えてくれた担任の先生について語ってくれました。高校3年生は2名。英語と日本語によるスピーチでこの学校でしかできない経験を自分の一生の力としたこと、この学校だからできたかけがえのない友への思いを語ってくれました。彼らのスピーチを聞いていると、先生達もつい顔がほころび、また涙がこみ上げて来ます。生徒たち、卒業生たちもまた同じです。共有している時間が長いからこそだと思います。立教の大家族の元から巣立っていく卒業生達と、後を任された先生と生徒達の間に絆を感じることができた卒業礼拝でした。