ここ立教英国学院の小学生・中学部1年生までの女子が参加している、校外での同年代のイギリス人との交流。それが「ガールガイズ」という活動です。毎週木曜日の夕食後、車で30分程行ったところにある町へ通っています。
普段は、それぞれのパトロール(グループ)に別れて活動をしており、一つのチームに日本人は一人、または二人です。ということは、必然的に英語を話すことになり、そして英語で話しかけられるということ。それは、英国に来たばかりの頃の生徒たちにとって、あまりに大きな違いであり、何を話しているのかも分からない、どう答えたらいいのかも分からない。本当に戸惑いと不安でいっぱいの時間であるというのも事実です。
しかし、ここでの活動も4月からもうすぐ1年。英語にも、イギリス人の子供たちにも、少しずつ馴染んできました。もちろん、全ての会話を理解出来るか、きちんと返事が出来るかというとまだまだ難しいところはあります。でも、イギリス人の子供たちも、それを分かった上で、ゆっくり話してくれたり、やり方を見せながら説明してくれたり、日本人の子たちにもいろいろ声を掛けてくれるようになっています。最初は硬い表情だったり、下を向いていた子も、最近は自分から声を掛けよう、これをやってみようかなと、積極的な姿勢が見られるようになってきました。
さて今日は、いつもよりも車の中のみんなの様子が心なしかうきうきしています。それは、今日が、楽しみにしていたクッキングの日だからです。
今日の活動は、各チームごとに決められた国の料理を、自分達でメニューを用意し、材料を用意し、クッキングするというものです。『中国・スペイン・ロシア・タイ・スウェーデン・フランス』以上の6カ国のどれかを担当することになりました。
中国は、鶏肉と野菜いっぱいの中華風焼きそば。スペインは、ジャガイモのソテーのトマトソース和え。ロシアは、なぜかトマトソースのパスタ。タイは、タイ風ヌードルとチャーハン。スウェーデンは、スウェーデン風ミートボール。フランスは、フランスパンといろんな種類のチーズ。それに加えて、思い思いのデザートを用意していました。
クッキングが始まったら、驚くことがたくさんあります。
「え、そんな風に切るの?え、これはこうすればいいのに…。え、どうするんだろう?」
使い方、味付けなど、日本とはいろんなことが違っていることに気付きますが、どんどん進んでいくクッキングに口出しをすることはなかなか難しい。でも、そんな疑問を持ちながらも、自分なりに出来ることを見つけ、次はこうしたらいいかな?こうして欲しいのかな?そんな風に考えながらの英語でのクッキングは、英会話が出来ない…というよりは、一つの料理を完成させるためのチームでの力だったように思いました。
時間通りに進まなかった。思ったように出来なかった。材料が足りない。余った。美味しい。美味しくない…。いろんな表情を浮かべる生徒たちですが、自分たちで作ったんだという達成感と満足感は、みんな感じていたはずです。そして、普段とは違った料理を食べられたことに、喜んでいる様子でした。
いつもは教えてもらってばかりの生徒たちですが、今日は材料を切ったり、焼いたりする場面で、手際の良さとしっかりとしたところを見せてくれました。それを見てイギリス人の女の子たちも、協力して一緒にやろうという気持ちが、いつにも増していたのかなと思います。
週に1回、たった1時間半の短い時間かもしれない。でも、彼女たちが築いてきた関係や、英語(コミュニケーション)における小さな自信の積み重ねは、少しずつ少しずつ力になっていることを信じ、また次の活動を楽しみにしたいと思います。