今年度、本校では、パラスポーツを通じた教育活動に年間を通して積極的に取り組んでいます。
共生社会を目指し、その実現のためにどのような視点や心構えが大切であるのかということを、多様な体験を通じて自ら問いながら、生徒一人一人がそれぞれに多くの気付き(Awareness)を得ることができています。
特に、現在車椅子バスケットボール競技を通じた教育活動に力をいれています。
今年度本校に多大なご尽力をいただいています、松永製作所様のご厚意もあり、2022 年 12月10日(土)に日本で開催しましたギフマツナガカップに本校より高校1年生の5名の生徒がイベントを支えるボランティアとして活動しました。
前日準備を含め、当日の様々な仕事を担当しました。具体的には男子生徒2名が体験会にて実際に車椅子バスケットボールをプレイし、女子生徒3名はチームのコーディネーター役として各チームでの補佐として、そして最終的にはチームMVPプレーヤーの選出も行いました。
前日には松永製作所の社内を見学することもできました。また、当日は東京2020パラリンピックで銀メダルを取った日本代表選手ならびに若いジュニア選手もいらっしゃり、間近で車椅子バスケットボール競技の迫力やその臨場感に触れることもできました。障がいを持った多くの方々にお会いする機会はこれまであまりなかったと思いますが、今回の活動を通じて、多くの学びがあったようです。こうした貴重な経験をした生徒がリーダーシップを発揮し、今後学校や社会に還元していけるような活躍を期待したいです。
以下、参加生徒の感想文です。
私は実際に日本代表の選手たちの試合を見て、車椅子バスケは自分が思っているよりも接触が多くて、激しいスポーツだということを知りました。車椅子同士の接触がとても激しく、接触により車椅子が浮いたり、転倒したりしていて、実際に代表選手の試合を生で見るからこそ感じられる、画面上では伝わらない迫力がありました。
また、松永製作所を見学して、車椅子のことをたくさん知ることができて、とても貴重な体験をすることができました。【高等部1年男子】
私は今回の試合を通して、車いすバスケの面白さを知りました。実際に選手の方々の試合を目の前で見てみてすごく熱狂しました。そこで、車椅子はただの一つのスポーツだということを強く思いました。パラスポーツと聞くと、普通のスポーツよりも制限があったり、特別だというイメージを抱きがちですが、バスケットボールはバスケット競技として、車椅子バスケットボールは車椅子バスケットボール競技として、違うルールがあり、違う魅力がある、確立した競技だということを実感しました。今回のことをきっかけに、健常者のスポーツと障がい者のスポーツという区別がなくなり、それぞれのスポーツという意識を持てるようになりました。【高等部1年女子】
この貴重な体験を通して、私は車椅子バスケを初めて見ることができ、また車椅子を作る工程を知ることができました。
実際に車椅子に乗ってバスケをしてみると、座りながらボールを扱うことは想像以上に大変だと感じました。車椅子に乗っている・乗っていないに関係なく、いちアスリートとしてトレーニングをしている選手たちに感動しました。
松永製作所の社長は、幼い頃から車椅子に乗っている方が身近にいたことから差別や区別を受ける人の気持ちを理解できたとおっしゃっていました。わたしは今まで車椅子を身近に感じることがなかったので、この大会を通して初めて車椅子に乗っている方の気持ちを考えることができたと思います。差別や区別のない社会を築いていくには、他者の気持ちをちゃんと考えることが大切だと感じました。【高等部1年女子】
私は、小学生の時に車いすバスケの体験会があって実際に体験したことがあります。その際、感じたことのないバランス感覚と面白さがあったことを覚えています。今回のギフマツナガカップにスタッフとして参加して、その事を思い出しました。しかし、プロの試合はその場でしか味わえない臨場感があり、小学校の頃とはまた違う体験ができました。また、マツナガ製作所の見学では、車椅子のプロセスを学ぶことができました。一つ一つの部品が依頼者の希望通りに作るための工夫をこの目で見ることができてよかったです。
この二日間での事を忘れずに、これらの体験を生かしていきたいと考えています。【高等部1年女子】
私はギフマツナガカップを通して色々なことを学ぶことができました。この大会に参加するきっかけになったのは一学期にコロナウイルスに感染し、帰宅が遅れた時に松永製作所の岡川さんが実際に学校に来てくれて、車椅子バスケを体験したのがきっかけでした。そして、大会では前日に会社を見学させてもらいどのような思いで車椅子を作ってるかやどのように作られているかなど実際に行ってみないと分からないことを学ぶことができました。事前準備でも沢山の社員さんと関わることができとても貴重な経験になりました。ギフマツナガカップ当日には体験会に参加しました。体験会では車椅子バスケのことだけでなく普段から車椅子を使っている人たちの思いなどを知ることができました。この大会を通して沢山のことを学ぶことができましたが想像以上のものでした。【高等部1年男子】