各学期ごとに中学2年生以下の学年はイギリス南部の何処かでフィールドワークを行います。
前日にクランレー村に出て、初夏の陽気の中でフィールドワークを行った小学5年・6年生と中学1年生。
翌日には中学2年生が、ナショナルトラスト管理のハッチランド・パークへ学習に出かけました。
館はレンガ色のすっきりとした建物。緑色の芝生に囲まれて、広大な敷地が広がります。
お屋敷の持ち主は様々に変わっています。
海軍提督が持ち主であったこともあれば、東インド会社に勤めていた人物が住んでいたこともあります。
一時は女子校だったことも。
敷地内には手入れされたブルーベルの森があって、今シーズンの目玉です。
おもしろいのはCOBB氏という人物による様々な鍵盤楽器のコレクション。
ピアノもあれば、ピアノ以前の鍵盤楽器も豊富です。
マリー・アントワネットのピアノあり
金箔に美しい彩色のハープシコードあり
一見鍵盤楽器に見えない隠れ楽器あり
長持型の鍵盤楽器も(チャールズ2世が旅行用に持ち運びできるよう改造したんですって!)
三日月型の鍵盤楽器も
ペダルが6つもあるピアノ
黒光りする鍵盤に、金色の黒鍵が見事なパイプオルガン
最後にお目見えしたのは、ショパンの弾いたピアノでした。
ご本人もピアノに造詣深かったというCOBB氏。
屋敷を彩る鍵盤楽器の数々に、おもわず目を奪われました。
金箔彩色のハープシコードは、当日職員の方が一曲弾いてくれるラッキーな一幕も。
細くて軽い、こぢんまりとした美しい音色です。
(実は予習で、CDを聴いていたのですが!)
部屋を一つ通過するたびに熱を帯びてゆく生徒たち。
ワークシートはちょっと大変でしたけど、
各部屋に待機したガイドさんにたくさん話しかけ、
たくさん教えてもらって、本当によくがんばりました。
「このガイドさんの英語は私にはちょっと聞き取りにくい。隣の部屋のガイドさんに聞いてきますっ!」
「シェークスピアの肖像画がどうしてあるの?」
「あの黒い鍵盤のオルガンきれい!気に入りました。」
ロンドンやケンブリッジ、カンタベリー・・・有名な都市もいいけれど、
南部の地元ならではの良いところもたくさん見て、イギリスを知ってもらいたい。
その熱意で選んだ場所で、生徒たちが興奮してくれると、企画した先生方もとてもうれしいです。
ワークが終わるとそのまま帰る予定でしたが、
「先生、あの黒と金の鍵盤のパイプオルガンのポストカードがどうしても欲しい」とある女生徒。
お屋敷内は写真撮影禁止だったのです。
駄目がもともとで聞いてみたけれど、やっぱり撮影は遠慮して欲しいんですって。
写真がどうしてもほしい女生徒に引きずられて、一同、ギフトショップ内でポストカードを探すことになりました。
「先生、ハーフタームのホームステイ中にまた行けるかな。ホストファミリーに頼んだら、一緒に連れてってもらえるかなあ?」
ちゃんと説明すれば、行けますよ、きっと。
近くにはCLANDON PARKというお屋敷もあるから行ってみては?
先生方はハーフターム中、次の候補地を見学に行ってきます。
2学期もお楽しみに。
イギリスを訪れる皆さん、都市の観光もいいけれど、
カントリーサイドに保護されている、ナショナルトラストの遺跡や邸宅、自然もいいものです。
これからベストシーズン。ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。