高校1年生の行き先はロンドンです。前回ロンドンに来た際はマダムタッソーを訪れましたが、今回の訪問先は大英博物館とUCLという、日ごろの勉強や進路に直結する題材です。
大英博物館では、古代エジプトの文字であるヒエログリフの解読により、エジプト文明の研究に大きく貢献することになった「ロゼッタストーン」を始め、世界史に関連する様々な展示を、グループで観てまわりました。自由行動としましたが、1時間半という限られた時間を最後まで有効に使っていました。教科書で見たことのある史料を見つけたり、世界史の小坂先生や宗教の授業も担当している與賀田チャプレンについて行って解説を求めたり、英語科の関口先生に英文を翻訳してもらったりして、自ら知識を深めている様子がありました。
大英博物館見学終了後、その裏にあるUCL(University College London)を訪れました。UCLには眼の最先端の研究に携わっている大沼教授がいらっしゃいます。大沼教授は講堂まで案内してくだささり、UCLやUCLと日本との関わり、立教英国学院との関わりについて話してくださいました。
UCLは世界的に有名でとても優秀な大学ですが、日本での知名度はそれほど高くありません。しかし「多くの人々に開かれた大学」という方針のもと、歴史的に多くの日本人を受け入れ、その日本人たちが明治維新後の日本の近代化に貢献してきたという事実があります。留学意欲の低下、学問のガラパゴス化が指摘されている現在の日本ですが、立教英国学院の皆には、国際意識を強く持って進路を考えて欲しいと思っています。大沼教授の「どんなことでもいいから、好きなものを見つけてとことん追究しなさい。そうすれば、進路は必ず開ますよ」というアドバイスは、進路について真剣に考え始めた高校1年生にとって大きな後押しとなったことでしょう。
夕食を食べた後はミュージカル「Everybody’s talking about Jamie」を鑑賞しました。「Jamie」は、セクシャルマイノリティの16歳の高校生が、友人関係や親子関係の困難を乗り越えながら成長していく物語です。英語力がまちまちな高校1年生ですが、ストーリーがわかりやすく、コミカルでいて深く考えさせられる内容で、とても良い劇でした。劇は、高校の教室で先生が「皆さんの夢はなんでしょう?」と皆に問いかけるシーンから始まります。大英博物館で高校生としての勉強のあり方を学び、UCLで大沼教授から「やりたいことを見つけなさい」とアドバイスを受けた高校1年生。ミュージカルもまた、主人公Jamieと同じ年齢である高校1年生たちに、「自分らしさ」「自分の考え」を大切にするよう投げかけます。様々な困難を親友や家族とともに乗り越え、「自分らしさ」を貫くJamieを見て、きっと勇気づけられたことと思います。
非常にタイトなスケジュールとなりましたが、彼らがこれから人間として成長して行く糧になるアウティングとなりました。