新年度の中2国語は、牟礼慶子さんの「見えないだけ」という詩でスタートしました。オンライン学習であることを活かし、一つのシートに全員が感想・意見を書き込み共有する、各自の録音した音声を使って「オンライン朗読コンテスト」を開催する、身近に聴く曲(Pretender等)の歌詞の中から「韻」「対句」「比喩」などを皆で探してリズムと音楽の関係を考える等々、ユニークな学びをしました。最後に、学習した詩の技法を使いながら今の自分の気持ちを「詩歌」に表したり、作詞家になったつもりで歌の歌詞を書いてみたりしました。それらの生徒作品を数回に分けて紹介したいと思います。
第二弾は、外出自粛・自宅学習中の生活の様子、またその間に改めて気づいたこと・感じたこと、自分自身を見つめて考えたことなどを詩に表した作品です。
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6時起床は難しい
どうしても どうしても もう少し寝ていたい
6時に起きるって言った 確かに言った
でも もう少し 寝ていたい
6時にセットしたアラームが鳴る 警報のようになる
6時に起き6時に寝る
そして 次起きると 7時だった
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当たり前のこと
いつも当たり前だと思ってた日常は
当たり前なんかじゃなかった
幸せはいつだってそう
気づかないうちに
わたしから去ってゆく
わたしの目に映るのは優しさがあふれる先生の顔じゃなくて
パソコンに映ったそっけない顔だった
いつも当たり前だと思ってた街は
当たり前なんかじゃなかった
幸せはいつだってそう
気づかないうちに
わたしから去ってゆく
わたしの耳に聞こえるのは生気にあふれた家族の声じゃなくて
少し離れたところから聞こえる溜息だった
わたしたちは走っていく
当たり前を当たり前にするために
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大切な存在
心が折れそうになった時 支えてくれる人がいることの
素晴らしさに気付く
泣きたい時 泣いていいよと言ってくれる人がいることの
素晴らしさに気付く
笑っている時 一緒に笑ってくれる人がいることの
素晴らしさに気付く
一人で寂しい時 いっしょにいてくれる人の
素晴らしさに気付く
こんな今だからこそ 不足している存在の
大切さに気付く
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いつも
いつも思う
もっと良い結果が出せたんじゃないかって
いつも思う
もっと楽しいことができたんじゃないかって
いつも思う
「いいね」の数を数えて時間を奪われたくはないなって
いつも思う
誰かからの返信一つで悩むのはもう疲れた
いつだって
人の目を気にして 一人で傷つくのはもううんざり
好きなことを自由にしているはずなのに
いつの間にか 他人のために自分を作るようになるのはいや
周りが怖いからって殻に閉じこもるのはもうやめた
楽しくもないのに笑ったり 顔色ばかり見るのも
いつでも
心から楽しめる人になりたい