「ステイホーム」で家にいる時間が長くなった児童生徒の国際感覚を高め、平和について深く考える機会を作ることを目的に1学期の終盤7月3日、6日にオンライン講演会を実施いたしました。今回は、世界21ヶ国に暮らす本校児童生徒をアフリカのルワンダと繋ぎ「ルワンダから平和について学ぶ」というテーマで学びました。講師には、プロテスタント人文・社会科学大学上級講師の佐々木和之先生をお招きしました。佐々木先生はアフリカのエチオピアやルワンダで平和活動を20年以上続けられ、2011年にはルワンダの大学で初となる平和学科を設立されました。本講演会では、26年前にルワンダで起きた大虐殺について、そしてその虐殺の加害者と被害者の和解のための取り組みについてお話下さいました。
涙しながら聴く生徒もいた本講演会の感想を3つ、以下にご紹介させていただきます。
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私は、ルワンダで起きた大虐殺についてはもちろん、ルワンダという国のことさえも知りませんでした。本講演会の冒頭でルワンダで”何が起きたのか”を聞いた時、そして、セルディオさんとジョンさんの”加害者を赦す”という言葉を聞いた時、私は涙が止まりませんでした。私が一番胸が締め付けられたのは、セルディオさんの「あの時リーダーに従わなくては自分の家族が殺されていた」という言葉です。私がセルディアさんの立場だったら、どうしていたのだろう。または、ジョンさんの立場だったら、家族を殺した人を私は赦せているだろうか。そんなことを考えさせられました。この時代、人の数だけ正義があり、どの正義が本当に正しいのかは簡単に決めれるものではないのだということも改めて感じました。
日本の学校で起きているいじめの問題も、根本的な心理メカニズムはルワンダで起きた大虐殺の背景と同じであるともおっしゃっていました。私たちにも「他人事ではない」のだと本当に心に刺さりました。 私ができることがあったとしても小さなことだと思うのですが、「平和」のためにできることを探していきたいと強く思いました。まずは、もっと世界に関心を持つことから始めます。せっかくイギリスに住んでいるのだから、BBCニュースをこれから見始めようと思います。この歳まで見てなかったなんて恥ずかしいことなのですが、今日、「もっと世界情勢に目を向けなくては」と気づけてよかったです。
最後になりますが、人間って本当に強いんだなと、加害者を赦したルワンダの方々のお話を聞いて思いました。一度崩れてしまっても、また歩き出せる、それには何より自分の伝えたいことを「言葉」にするのが大切なのだと感じることができました。
(高等部3年生 女子)