中1国語では、1学期の締めくくりとして稲垣英洋さんの「ダイコンは大きな根?」を読みました。作品を読んで、大根の上・下の部分、また、すりおろし方で味が異なることを知ったうえで、実際に自分でダイコンの味や特徴を調べて説明文に書きまとめるという「ダイコン・プロジェクト」を企画しました。
大根を買いに行くことから始まり、自分の手ですりおろした大根おろしを食べ比べたり、家族と協力して大根おろしに合う料理をつくってみたりなどして作品を完成させました。作品は、クラスの中で共有し、互いに読み合ってコメントを送ることによって、読者と作者の立場を経験するだけでなく、オンライン上でしか顔を合わせたことのないクラスメイトとの交流の機会としても、働きかけることができたのではないかと思います。
中1国語は、1学期の授業のすべてをオンラインで開講しました。通常授業では、クラスメイトの発表を聞くことによって自分も理解したような気持ちになってしまいがちです。オンライン授業では、生徒それぞれが教科書の文章をしっかり読み、自分の発見や感想を書くまでの時間を確保することができます。自らの考えを持ったうえで、意見交換に臨むことで、よりよい学習に繋げることができたのではないでしょうか。
今回は、「ダイコン・プロジェクト」より、いくつかの作品を2部に分けて紹介したいと思います。
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「大根の味は本当に違う?」
私は、教科書では、味が違うとありましたが、本当に違うか比べてみました。
まず、大根を買いに行きます。大根は冷蔵されていました。サイズは1本を半分に切ったものもありましたが、今回は1本丸ごと買いました。そして、大根を少し観察してみました。私が買った大根は、食べられるところの三分の二に側根が生えていて、生えていない部分は黄緑色をしていました。
この大根の胚軸の部分と根の部分を食べ比べるために、端と端を切り、すりおろして大根おろしを作りました。すりおろした後の見た目は、根の部分のほうが、みずみずしく見え、辛いようには見えませんでした。
最初に根の端の部分を食べてみました。根の端の部分は、はじめ、あまり辛く感じなかったです。ところが後から、すごく辛くなり、舌がピリピリしました。これに対して、胚軸の部分は辛味がなく、少し甘みがありました。根と比べると全然辛さが違いました。
このように、食べ比べた結果、辛さは本当に違っていて、正直、「こんなに違うんだ!」とおどろきました。料理をするときは、これをふまえて作るとよりおいしくなるので活用していこうと思いました。普段、大根の根の部分と胚軸の部分の味を比べることがないのでいい機会になりました。
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「胚軸と根の味比べ 」
大根おろしを作る時に胚軸(上)の部分か根(下)の部分を使用するかで味は変わるのでしょうか?
実際に大根おろしを胚軸の部分、根の部分で分けて作って食べてみると、胚軸の部分で作った大根おろしは甘めに感じました。いっぽう、根の部分で作った大根おろしはとても苦く感じました。試しに大根の真ん中の部分を使って大根おろしを作ってみると甘さと辛さのバランスがちょうど良い味でした。
そこで、なぜ大根の使う部分によって味が変わるのかを調べました。大根おろしの刺激的な辛さは「アリルイソチオシアネート」という成分によるものです。これは大根の細胞が破壊されることで発生します。すなわち、大根おろしは大根をすりおろすことで辛くなるのです。この「アリルイソチオシアネート」を生み出す成分は大根の上部よりも下部のほうに多くあります。大根の下部をすりおろすと、上部よりも辛いのはこのためなのです。
このように、大根おろしは使う部分によって味が変わることがわかりました。僕は、ほかにも大根のように使う部分によって味が変わる野菜について知りたいと思いました。
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「大根おろしの部位とおろし方による味の変化」
あなたは大根おろしが大根の使う部位で味が変わることを知っていますか。大根おろしは、日本の食卓に欠かせない薬味の定番です。みずみずしく、さっぱりとした爽やかな風味は、焼き魚やお蕎麦、卵焼きなどなど、どんな料理にも合い、もちろん美味しさを引き立ててくれます。
大根の根は大きく三つの部位に分けられます。上部、中部そして、下部です。(各部位の特徴などは図1を参照)この三つの部位の中から二つを、繊維に沿って縦に平行におろしたものと、輪切りにした断面側の繊維を断つおろし方の二種類のおろし方で食べ比べてみました。
最初に、上部から食べ比べていきます。上部は水分が多く甘味がとても強いです。繊維に沿っておろした方はほとんど辛みを感じなくまろやかな味わい。繊維を断つようにおろした方は甘味もありますが、辛みがとても強く大根の爽やかな風味が感じられました。母に聞いてみたところ、繊維に沿っておろした方は甘くて大根本来の辛さがないので子供でも食べられる味。繊維を断つようにおろした方は甘辛くてネギのような風味がすると言われました。 そして下部です。下の部分は上の方に比べると水分はかなり少なめでした。食感も繊維質な感じで硬めでした。どちらのおろし方もかなり辛みが強いです。少々苦みも感じました。とっても辛かったです。母に食べ比べてもらったところ、繊維に沿っておろした方は、苦くて下部のような味が、繊維を断つようにおろしたものはただ単に苦かったそうです。 このように大根おろしは使う部位、おろし方により味が変わることがわかりました。これは、各部位の役割の違いが生み出しています。まず上部が甘い理由及び中部が甘い理由は、地上の葉で作られた栄養を根に運び、そして、根から吸い上げられた水を葉に送る働きをしているからです。下の部分が辛いのは、ただ水を吸い上げているだけだからです。
(おまけ)今回は大根おろしに合う料理ということで卵焼きを姉と一緒に作ってみました。家族からとっても評判が良かったので今度も作りたいと思いました。一応写真も撮ったので載せておきました。