「印象に残った仕草、表情、言葉」をテーマに中3国語の授業で書かれた作文をご紹介。

「印象に残った仕草、表情、言葉」をテーマに中3国語の授業で書かれた作文をご紹介。

Xの肖像」

私のXは祖父です。祖父と私は、毎日会っているのにあまり2人では話しません。祖父はお花を作る仕事をしているため、手は力強く、厚いけれどとても優しい手をしています。普段は普通のおじいちゃんだけど、笑うと私までもが笑ってしまうような生き生きとした笑顔をします。
私が中学生になって生け花を始めた時、祖父はものすごく喜んでくれました。そして作品を見せた時も、
「よくできてるじゃない。」
といつも白い歯をみせて笑ってくれました。
私がイギリスに行くと祖父に伝えた時、
「自分で決めたのなら、しっかりとやってきなさい。」
といつもの笑顔ではなく、険しい表情で言われたので正直、少し戸惑いました。本当は父や母、友人のように、
「頑張ってね。英語話せるようになってきてね。」
と笑顔で言ってほしかったのです。
イギリスに旅立つ日が近づけば、近づくほど皆からの期待はどんどんおしせまってきました。出発直前に言われた、
「体に気をつけて、辛くなったらいつでも帰ってくるんだよ。」
という祖父の言葉と白い歯をみせながら笑っている祖父の笑顔が、大きな期待を背負った私の今でもここで頑張る元気の源となっています。多くの人から「頑張れ」という言葉をもらうのはすごく嬉しかったけれど、そうではなかった祖父は私の一番の理解者かも知れません。