10月7日、私たち高校1年生はケンブリッジの街へ行きました。ケンブリッジ、と聞くと伝統ある名門大学のある所…ということくらいは分かりますが、その実態は意外と知らないもの。今回のアウティングを通して、私たちは実際のケンブリッジの暮らしを、ほんの一日だけですが、体験することが出来ました。
バスに揺られて2時間半、やっとのことケンブリッジに到着すると、少し紅葉した木々と古い街並が見事にマッチしたすてきな景色が迎えてくれました。白鳥が泳ぐケム川を見ながら街をのんびり歩いて、それから班ごとにお昼ご飯を食べました。アフタヌーンティー、イギリス料理、日本料理、ファストフード…と各々食べたいものを食べたのち、ガイドさんに連れられてケンブリッジ・ツアーを始めました。まず向かったのは日本とも繋がりが深いというカレッジ。このカレッジに付属する礼拝堂はかの有名なクリストファー=レンによって作られたそうです。昔は1日に3回、学生たちはこのチャペルに来なくてはいけなかったとのこと。立教生も毎朝チャペルで礼拝をしていますが、1日に3回と聞いて生徒たちは驚いていました。カレッジの建物も趣きがあってとても素敵でしたが、ある生徒にいわせると「本館(立教の女子寮)とそんなに変わらない。」とのこと。確かに窓の形やデザインが似ている点がいくつかありました。普段暮らしている寮が古くて趣きのある、伝統的な建物であることを、ケンブリッジで感じ取ることが出来たのではないでしょうか。
私たちはイーグルというパブにも行きました。勿論、お酒を飲むためではありません。このパブはノーベル賞受賞者たちが頻繁に足を運んだ場所であり、第二次世界大戦中に出兵を控えた青年たちが不安を感じながらも精一杯晩餐を楽しんだ場所でもあり(出兵直前の青年たちのサインが壁にありました!)、更には怪談話で有名な所でもあるのです。薄暗い店内にはチャーチルやニュートンやクリストファー・ロビン役の子供など、様々なイギリスを物語る絵や写真が飾ってあり、パブの新しい楽しみ方を発見した気がしました。そして今この瞬間も、学生やおじいさんや近くのお店で働いている人々が楽しげにパブに集っており、これからも様々なドラマがここで起きていくことを予感させました。
ケンブリッジの学生たちは「たくさん勉強、たくさん遊ぶ」がモットーであるそうで、いたるところに遊び心を感じられるものがありました。例えば、トリニティカレッジの正面にあるヘンリー8世像。剣を持った右手をよくよく見ると、それはなんと椅子の脚! 学生が冗談で剣の代わりに椅子の脚をヘンリー8世に持たせたそうです。大学側も、こうした学生の冗談には寛容であるとのこと。この真面目さとユーモアが入り交じったケンブリッジの雰囲気が、現代でもなお続く名門大学を作り上げているのだな、と感じずにはいられませんでした。生徒たちも何かインスピレーションを受けたのか、キラキラした目でヘンリー8世を眺めておりました。
その他にもDNA鑑定の結果「ニュートンが実際に見た」ものであることが証明されたリンゴの木や、ヴィクトリア時代に作られたサイエンスの講義棟、荘厳なキングズカレッジ、イギリス一古い本屋さんなどを見てツアーは終了。ケンブリッジの魅力が盛りだくさんのツアーを通して、伝統あるイギリスをまた1つ知ることが出来たのではないでしょうか。