今学期の小学部6年生の国語では鑑賞文を書きました。
「まだ絵を見たことがない人に、まるで目の前で見ているように言葉で説明していこう」
と、題や出だしなども工夫して苦戦しながらも立派に書き上げた生徒たちの作文を紹介します。
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小学部6年 国語 「鑑賞文を書こう」第3回
「不思議な音楽隊」
「カチ・カチ・カチ・カチ」
メトロノームの音が聞こえてくる。ほら、よく耳をすましてごらん。色んな楽器の音が聞こえてくるだろう。あの暗い部屋の中をのぞいてみよう。
暗闇の中に三人の男達が楽器を演奏しているのがみえるだろう。手が小さく顔が四角い男や、がたいの良い青い顔の男、そして三人の中でも一番スーツの色が明るい、顔がどこにあるのかわからないとても不思議な男たちが描いてある。色を九色しか使わず、全て形で表現して書いてあるだろう。
分かりにくい絵だからこそ、とても興味深いこの素晴らしい作品は、この絵しかないだろう。じゃあ、左端にいる男の下を見てごらん。イスの下にイヌがすわっている。きっと自分たちの演奏している所について来たかったんだろう。
右端にいる男は、すごく大きい口をあけているのがわかるだろう。おそらく歌を歌っているのだろうか。
この男たちはすごく真けんに練習しているのが分かるかい?左端の男は特に真けんな表じょうをして笛をふいている。すごく、このミュージカルに気合いを入れているんだろう。
この絵をえがいた作者は、不思議なことに、すべて形で表現しているのにもかかわらず、その形が人の顔になるように、楽器になるようにとすごく上手にこの男たちの絵がえがけている。今のマンガなどは、人をそっくり似ているようにえがくが、この絵はそうではない。しかし、とても自由な感じがして、作者の個性がわかるだろう。
すごく印象に残り、とても個性的なのがこの絵の良いところなのだ。昔の人もそのようにこの絵を見てきたから、今のこの絵が現代の人に見られるくらい有名になったのだろう。
(小学部6年生 女子)