小学部外出:ブライトンに行ってきました

小学部外出:ブライトンに行ってきました 小学部外出:ブライトンに行ってきました 小学部外出:ブライトンに行ってきました
今回の小学生アウティングは3本立て。かの有名なヘンリー8世のお妃、アン・ブーリンが住んでいた「ヒーバー城」、ブルーベルの森の中を走る蒸気機関車「ブルーベル鉄道」、そして海の町・ブライトンに昨年お目見えしたイギリス第2の高さを誇る「i360」タワーだった。
朝は生憎の雨模様、目的地に着くころには止むだろうという仄かな期待も裏切られ、シトシトと小雨の降る中ヒーバー城の門をくぐった。楽しみにしていたアスレチック施設は雨に濡れ、遠くに霞むお城もお昼までは開館せず、仕方なくまずはお土産屋さんで買物。どうなることやら… と気を揉んでいたのも束の間、子供達はとっても面白いことを見つけた。お土産屋さんの隣で売っていた鳥の餌を買って近くにいた水鳥にあげ始めたら、どこからともなく沢山の水鳥達が集まってきた。すぐ近くを流れる小川沿いを散策していたグループからは「おーーい、こっちに大きな白鳥がいるよー!」との報告、川にかかった小さな橋のたもとでは大きな鯉を見つけて餌をあげているグループがあったり、向こう岸に行って白鳥をバックに写真を撮り合うグループもあった。 閑散としていたお城の庭がいつの間にか賑やかになって、子供達の顔もほころび始める。小雨なんか全く気にせず生垣でできた大きな迷路を歓声を上げながら走り回った。お城の前ではクラス皆んなで集合写真を撮って、その後のお昼ご飯は片言の英語を何とか駆使して一人ずつ注文した。
そんなこんなで、あっという間に時が過ぎ、気がつくとお城の中を見学する時間。前日に担任の先生からもらった英語のワークシートは既に予習済みで、お城の中で見つけるべきものはすでに頭に入っていたものの、お城の中の説明が全部英語表示! これには少々困惑模様… 班対抗でポイントを競うことにしていたから、容易に他の班に答えが漏れないようにしなくてはいけないし、先生にも聞けないし… で、どうしたのかというと、勇気のある子達が係員のおじさんやおばさんに英語で聞き始めた。これにはビックリ。英語の授業で習ったセリフだけでは足りないはずなのに、何とか答えを聞き出そうという熱意には脱帽だった。
熱心な子供達の作業は予想外に時間がかかり、次の場所へ行く時間も迫ってきた。「ハイ、そろそろコーチが出発する時間なので、ワークシートはこの辺で終わりにしましょう!」とアナウンスするも、「先生ーっ!この問題の答えはどの部屋にあるんですかぁーっ?」小学生達のこういう探究心は大切にしなければ… と思いつつも何とか切り上げて次の目的地、ブルーベル鉄道へ向かった。
まるでハリー・ポッターに出てくるような蒸気機関車のコンパートメントに入ると、車掌さんに「ここはファーストクラスだから君たちはあっちの車両ですね。」と言われいそいそと移動。でもテーブルを囲むようなボックス座席に皆んな座れたのでまずは満足。シュッ、シュッ、シュッ… 車窓の向こうの景色が動き始めた。時々汽笛を鳴らしながらゆっくりと進みだした車両の中では、テーブルを囲んでそれぞれのグループで楽しそうなお喋りが始まった。盛りを少し過ぎてしまったブルーベルの薄青色の絨毯は、この楽しそうな子供達の注意を引くには少々力及ばなかったようで、それよりも子供達の気をひいていたのは、隣の座席に座っていたイギリス人の小さな男の子と女の子の兄妹… 彼らと時々お互いに目で合図をしながら楽しそうに言葉にならないメッセージを交わしていた。隣に座ったおばさん達に英語で話しかけられていたグループもあった。何とか会話を成立させようと果敢に挑戦! 少しだけ先生のヘルプも借りたけど情報はちゃんと伝わったぞ!! ここでもまたイギリスの人達とのコミュニケーションに成功!
コーチに乗って、ブルーベル鉄道に乗って… そして最後はBritish Airways(英国航空)の運営するi360に搭乗 (!)した。
コーチがこのブライトンの町に入ると、まるで子供たちを待っていたかのように見る見るうちに晴れ間が広がった。そして眩しく光る海と高い高いi360のタワーが歓迎してくれた。CAの制服を着た女性にボーディングパスを見せて、その後はセキュリティチェック ー 本当に飛行機に乗るような手続きをした後、いよいよガラス張りの巨大ドーナツのような機内へ入った。 広〜い空間の中央にはオシャレなバーカウンターもあった。ちょっとドキドキしながらお友達と話していると、スーッと明るくなって、巨大カプセルが静かに上昇を始めた。キラキラと眩しい海岸線がゆっくり下の方へ移動していく不思議な感覚。気がつくとガラス張りのカプセルは空高く宙に浮き、周りは広く長く続く海岸線と緩やかな緑の大地、そしてそこに散らばるジオラマのようなブライトンの町に包まれてキラキラと輝く不思議な空間に変わっていた。
はしゃぐわけでもなく、怖いわけでもなく、退屈なわけでもない。ただ、ゆったりとした気分でボンヤリと遠くの海と大地、そして眼下に広がる喧騒の町をみんなで静かに見ていた。一番高いところで5分ほどそんな時間を過ごした後、カプセルはゆっくりとグランドに着陸、はたと現実に戻り、約30分の不思議なフライトが終わった。
フライトの締めは、アフタヌーン・ティー。タワーのすぐ下にあるガラス張りのオシャレなレストランで3段重ねのプレートにあふれんばかりに載ったケーキとサンドイッチとスコーンをおなかいっぱい食べた。腹ごなしに海岸でしばし波と戯れ、砂利浜で追いかけっこをしたり、海に向かって石投げをしたり… 夕暮れ近い海岸で子供達の遊ぶ様子を写真に撮ったら予想外の逆光効果でとっても良い写真が撮れた。顔の表情は見えないのにどこかとっても幸せそうなシルエットだった。