高校一年生の第一学期「現代文」は、川上弘美さんの「境目」という随筆でスタートを切りました。様々な「境目」を例に挙げながら、さりげなく「境目」に対する考察や独自の考えを述べていた筆者。読解後の発展学習として、各自ペンネームを使って「オリジナリティー」を重視した600字程度の「随筆」を書くことにチャレンジしました。学期末に完成した「2018年度 高一エッセー集」の中から、いくつかの作品を10回に分けてご紹介します。
「疲れ」
〈ペンネーム〉GADORO
私は今、疲れている。とても、疲れている。人間は疲れる生き物だ。私は、いつも疲れている。
そもそも「疲れ」には二種類ある。「精神的な疲れ」と「肉体的な疲れ」である。精神的な疲れは脳や神経を酷使した時に表れる。運動した時には、肉体的な疲れを感じる。私は常に、どちらか一方の疲れを感じる。しかし、両方の疲れを同時に感じた事はない。
疲れている時、私はよく寝る。寝ることによって疲れをとろうとしているのである。しかし、意味はない。疲れて眠る。そして、起きると別の疲れを感じる。この疲れが謎である。
肉体的疲労を感じ眠り起きると精神的疲労を感じている。寝ている間に神経や脳を酷使しているとは考えづらい。逆に精神的疲労を感じて眠った後は、肉体的疲労を感じる。寝ている間に肉体が疲労を覚える様な事はしていない。これは、全く新しい第三の疲れなのではないかと思う。原因不明であり、その疲れの取り方も分からない。人間は、常に疲れているのである。
「人間は疲れる生き物だ。」