10月12日(金)、ロンドンにある国会議事堂を訪れました。
イギリスで勉強した高校生として、またこれから選挙権をもつ大人になる者として、
ぜひ一度は観たい、また観せたいところが国会議事堂です。
国の重要な施設のため、当然警備は厳重です。また、誰でも簡単に入れるわけではなく、紹介状つきで、何ヶ月も前に事前に予約する必要があります。
本校は長い間Horsham Councilとの繋がりが深く、とても大切にしています。今回の訪問にあたっても紹介状を用意していただくご協力を得ることができました。
国会議事堂に到着したのは11時ごろ。記念撮影の後に、クラスごとに分かれてツアー形式で見学しました。所要時間は1時間程度。ガイドの方は、初の女性首相サッチャーの秘書を長い間務めたこともあるという、国会つきの秘書さんでした。内容は当然観光とは異なり、イギリスの誇りと伝統を感じる、示唆に富んだものでした。
生徒たちもとても一所懸命聴いていました。興味をもってついていくには、英語だけでなく、政治に関する様々な専門用語や、民主主義とは何か、議会とは何か、正義とは何かという、とても高度な知識と考えが必要となる内容です。ですが、皆にしっかり説明が入っていると感じました。きっと高校1年生の頃の彼らであれば、話についていけず、途中で飽きて諦めてしまっていただろうな、と思い、3年間での成長を感じました。
ツアーでは、有名なソードラインのある庶民院、豪華絢爛な貴族院、女王の待機室などを見て回りました。庶民院の議長がSpeakerと言われる所以や、かつてチャールズ1世が庶民院に立ち入って王政反対派を逮捕しようとしたことを議長が拒み、以降国王が庶民院に立ち入ることはなくなったというエピソードを知り、各部屋に並ぶ偉人たちの肖像画や銅像を観ると、イギリスがいかに議会政治制度と民主主義を大切に守ってきたか、ということがわかります。
学校として日本の国会を観に行くことはできないですが、議会制民主主義の本場の国会を見学したことで、彼らがこれから、民主主義と参政権を大切に守る大人になってくれるだろうと感じるものとなりました。
これで高校3年生の外出は最後です。本校での学びが、いつまでも彼らの糧となり続けることを祈っています。