小学部はクロスカリキュラム的な学習として、総合の時間にヴィクトリア女王とアルバート公について調べ、図工ではウィリアムモリスについて学習し、動植物をモチーフにした版画を制作しています。それに関連しアウティングでは、ヴィクトリアアンドアルバート博物館(V&A)と、アルバート公記念碑、ケンジントンパレスを訪れ、ヴィクトリア時代を学ぶコースとしました。
ケンジントンパークに隣接するハイドパークで、1851年、第1回万国博覧会が行われました。尽力したのはアルバート公です。その収益で果樹園だったサウスケンジントン地域が開発され、V&Aや自然史博物館などが建てられました。
V&Aは、美術品だけでなく工芸品も集めた博物館です。館内にレストランを併設した世界初の博物館でもあります。レストランにはウィリアムモリスのデザインした部屋もあります。博物館に到着するとまずはレストランで腹ごしらえです。豪華な内装の中、ちょっとレディになった気分ですが、カフェテリア形式なのでとても気軽に食事ができました。
広くて1日ではすべては見ることができない博物館なので、食事が済むと、全員の希望によりアジアの展示を見学しました。日本のコーナーでは、根付や着物、鎧、刀などに見入り、現代日本のデザインとして展示されているウォークマン、キティちゃんの炊飯器や「ゴシックロリータ」の衣装などに小学生は「なぜここに!」とびっくりしました。
次に訪れたケンジントンパークではアルバート公記念碑の大きさにさらにびっくり。アルバート公は道路を挟んでロイヤルアルバートホールと対面し、サウスケンジントン地域を見守っていらっしゃいました。
ケンジントンパレスで小学生が目を奪われたのは、アルバート公がヴィクトリア女王のためにデザインした、エメラルドのティアラ、イヤリング、ネックレスのセットの豪華さです。しかし予想外に、その日最も小学生の心を掴んだのは、故ダイアナ妃のドレスの特別展でした。素敵なドレスの数々だけでなく、このような社会的地位にある方が、どうして地雷原を歩いたのか、エイズで苦しむ人を抱きしめたのか、ということに素朴に疑問をもったようでした。歩きながらそれについて話し合い、お土産コーナーでは、いつもはあまり物を買わない人が、即決でダイアナ妃特別展の冊子を購入していたのが印象でした。
その後、オックスフォードサーカスからピカデリーに向かってリージェントストリートを歩きました。ヴィクトリア時代に建てられ、チューダーリバイバル様式のアーツアンドクラフトの建物として有名なリバティ百貨店をちょっと覗き、近くのイタリアンレストランで夕食をいただきました。帰途につく前に大きなおもちゃ屋さんではしゃぎ、デザートにワッフルを買い、ウォータールー駅で飲み物を買いました。ギルフォードの駅には校長先生がお迎えに来ていました。学校までの車の中では全員でゲームをし、「まだ帰りたくなーい!」と元気に帰校した小学生でした。