「わあ。」
中央ホールに入ったとたん、ほとんどの生徒の視線は上の方向に釘付けになりました。
ロンドンにある自然史博物館を訪れると、”Hope”という名の全長25.2mもある巨大なシロナガスクジラの骨格標本が出迎えてくれます。博物館にあるものは、すでにいないもの、過去のものというイメージがあるかと思いますが、この骨格標本は、まだ絶滅はしていない種の保護を呼びかけることを目的として展示されています。
ロンドンにある自然史博物館は、もともと大英博物館の一部門として始まったものだそうです。大英博物館に収蔵する標本や資料が膨大な量となり、そうしたものを展示、保管するために、万国博覧会が行われた後に建てられました。現在ではもちろん、研究のためにも使われています。
博物館の中は全部で5つのゾーンに分かれていますが、中でも、恐竜やほ乳類などが展示されているブルーゾーンが人気でした。多くの生徒たちは、はく製や骨格標本が所狭しと並んでいる中、音と光に合わせて動くティラノサウルスの実物大模型に注目していました。映画で見たような、人を襲う勢いを期待したのでしょうか、「思っていたより動かないね。」と、残念がる生徒もいました。
どのゾーンでも、実際に触れたり体験したりできる展示に、積極的に関わっている姿が多く見られました。さらに、英語の説明文を読み、意味の分かる英単語を繋げながら、どんなことが書いてあるのか意見を交換する生徒、ホルマリン漬けの標本に興味をもち、真剣な眼差しで、英語で書かれている学術名を調べ、どんな動物かを考えている生徒もいました。
想像をはるかに超える、世界トップクラスを誇る規模のロンドン自然史博物館、終始圧倒された時間はあっという間に過ぎていきました。
見学のあとは、300以上もの店舗をもつ大規模なブルーウォーターショッピングセンターでの、買い物と夕食となりました。買いたいもの、見たいものは一人一人それぞれ違ったと思いますが、グループでしっかり話し合い、効率的にショッピングをし、食事をすませた上で、時間通り集合できる姿にも成長を感じました。みんなが満足そうな様子で、帰路に着くことができました。
前回までのアウティングでは、いざ英語を使うとなると思うように言葉が出ず、もどかしさを感じていた生徒も多かったのですが、今回は「自分の力で、買いたいものや食べたいものが伝えられたよ。」と笑顔で報告してくれる子がたくさんいました。頑張って手に入れた分、それは大切な思い出となり、また食べたものの味は格別だったことでしょう。
「積極的に話しかけたい。」「もっと上手く伝えたい。」
英語の学習に進んで取り組むことについての目標がまた増えました。
楽しいだけでなく、一人一人が自分自身の成長を実感することができたアウティングとなりました。