国際性
国際性とは何だろうか。ただ「国際性」と言われて考えても、なんだか私とはあまり関係なくて、もっと偉い、たとえば外交官だとか、国の大臣だとかに近い人が言うようなことのように思える。しかし、よく考えてみると、ささいなことではあるが、私たちの身近に、これも国際性といえるのではないかということがあると思う。
今から三年前、私はイギリスのブライトンで、一週間のサマーキャンプに参加した。キャンプには、様々な国から同じくらいの年の人たちが参加していたが、私は英語もあまり上手くないし、一緒に参加した日本人と行動を共にしていて、皆でやるアクティビティーなどにも、どちらかというと消極的になっていた。その時のことを少し紹介しようと思う。
キャンプ二日目くらいの夕方、肌の黒い女の子達が私のところに来た。何だろうと思ったが、その中の一人がトランプを差し出したので、「一緒にやろう」と言っているのが分かった。女の子達は、トランプをしながら、自分たちがカタールから来ていることを教えてくれた。あなたはと聞かれて、私が「ジャパン。」と答えると、彼女たちはうれしそうな顔をして、私に日本のことをいろいろ聞いた。私も一生懸命答えた。そして私達はお互いの国のことから今日あったことまで、お互い上手とはいえない英語でたくさんのことを話した。とても楽しかったが、後で考えてみると、もし彼女達が私を誘わなければ、私から彼女達に関わることはなかっただろう。日本には、わざわざそんなことをする人はあまりいないと思う。しかしこのキャンプでは、彼女達や他にもスポーツやゲームに誘ってくれる外国人がいた。
国際性とは何だろうか。こういう身近なところにあったものも、国際性だと思う。
(中学部3年 Hさん)