毎週金曜日、フライデースポーツで近くの乗馬場まで外出する生徒たちの発見です。
春。
イギリスの春は豊かな丘陵の自然が美しい色で包まれる。
イギリスの春といえばブルーベルだが、ブルーベルが林の中でひっそりと高潔に咲きそろうのに対して、存在感を放って力強く咲き乱れるのがからし菜畑である。
からし菜はマスタードの原料として栽培されている。日本でも知られた「アブラナ」の仲間で、見かけは全く同じ。だが、日本とほぼ同じとはいえ、やや涼しい気候に影響されてか、からし菜は丈が高い。人と同じか、やや高いぐらいにまで育つ。
春先になると、なだらかな丘陵のあちこちで、イエローのカーペットが広がり、それはそれは綺麗である。
中世からの三圃制(欧州の土地利用法)が今も生きるイギリスでは、一般の私たちにとって、毎年どの土地がからし菜畑になるか分からない。去年はただの空き地だった所がからし菜のじゅうたんで包まれることもあれば、からし菜で美しかったフィールドが今年は羊の放牧地だったりする。毎年毎年見られる場所が異なるのも、ひとつの楽しみである。
明るい色のせいか、一面のからし菜は見る人の目を非常に楽しませる。春の喜びをいっぱいに表現するかのような光景である。