本校高等部3年女子生徒が『伊藤園おーいお茶新俳句大賞』で都道府県賞を受賞。その感想をご紹介。

本校高等部3年女子生徒が『伊藤園おーいお茶新俳句大賞』で都道府県賞を受賞。その感想をご紹介。
俳句はとっても短い。その短い文章にどんな思いを込めるか、どんな言葉を使うか。それを考える機会を与えてくれる『おーいお茶俳句コンクール』は私にとって1年に1回の楽しみであった。
特に賞品が欲しいと思ったことはなく、ただただ目を瞑った時に広がる情景・思いを必死に自分の持っている少ない単語で表すことに夢中になっていた私は、今回都道府県賞に選ばれたことに驚き、同時にとても嬉しく思っている。
『待ちぼうけ ふと見た道に ひめつばき』
これが私が今回賞を取ることのできた作品である。実際に、まだ私が日本に住んでいた時に体験し感じたことを、ありのままに俳句にしたものだ。
最初、どうしても冬に関連した言葉を入れたかった私は、電子辞書でそれを検索していた。機械的にボタンを押し続けていた私の前に、突然ある言葉がふと目に入ってきた。『ひめつばき』である。ひめつばきの写真を見ていると、私はある事を思い出した。
私が昔住んでいた日本のマンションの傍につばきが咲いていた。ひめつばきではないだろうが、その色は赤く鮮やかで、それなのにいつのまにかはらりと落ちているそのはかなさに、私はよく心を奪われた。
友人を外でぼおっとして待っている時、ふとそのつばきを見てしまうと、本当はこれを見るためだけにここへ来たのではないかと錯覚してしまうほど見惚れてしまったものだ。
その情景が脳裏にはっきりと映った私は、すぐさま筆を取ってこの俳句を書いた。この俳句から、あの美しくはかないつばきを思い描いてもらえたら幸いである。