朝4時半起床。1年に1度の究極の早起き。朝食パックを持って午前5時に学校を出発したその行き先は?
テニス発祥の国、イギリスが誇るウィンブルドン・テニストーナメント。毎年恒例の行事ですが、今年は「スペシャル」が3つありました。
まずは、この外出が期末試験期間の真っ只中だったこと。トーナメントの日程の関係で今年だけの「スペシャル」です。試験勉強の為、毎日夜中まで勉強している生徒がたくさんいたというのに、昨晩の就寝は高3でも10時。その他の学年は全員9時前に就寝しました。
2つ目のスペシャルは、今年は新入生がたくさんいたということ。昨年のウィンブルドンを経験していない生徒は全校の半分近く! 朝4:30に起きて4時間も並んで入場するウィンブルドンって一体… と思う人たちがたくさんいたので、それだけでも期待感が高まりました。
そして3つ目のスペシャルは…
起床後の薄暗いキャンパスには水溜りがいくつも広がり昨晩はかなりの雨が降った様子。それでもロンドンに向かう高速道路に差し掛かる頃には暗い雲が遠のき、うっすらと青空さえ見えてきたのですが、列に並び始めて暫くすると怪しい雨雲が再び広がって激しい雨が降り始めました。広い芝の上の長い長い列にはたくさんの傘が色鮮やかに咲き始めたのですが、生徒たちの顔はどんより… 並んでいる時にこんなに激しい雨にあったのは数年ぶり… これからまだ3時間以上も並ぶと思うと気の滅入る冷たい雨でした。
ところが… 降ったり止んだり、傘を閉じたり広げたりを繰り返しているうちに、いつの間にか空は少しずつ明るくなり、一筋の光が差すと濡れた芝がきらきらと輝き、長い列のあちらこちらから歓声があがりました。生徒たちもカメラを取り出して思い思いに記念撮影の始まり。会話も弾み、ウィンブルドンの試合も楽しみになって来た頃には、空はすっかり晴れ渡り、気がつけば列は会場入口、チケット売り場に到着していました。その後はずっといい天気!この後、芝のコートで繰り広げられた熱戦の逆転劇のように、天気も大逆転の清々しい快晴!―――これが3つめのスペシャルでした。
今年は土曜日だったので、場内はいつもより混み合っていた感はありますが、それでも解散すると生徒たちはグループごとに分かれてお目当てのコートへと散って行きました。ラッキーなテニス部のメンバーは、抽選で当たったセンターコートとNo.1コートのチケットで入場、錦織選手の試合を観戦することができました。有名選手を捜して練習コートに行く生徒たちもいました。中2の女子はウィンブルドンで買ったばかりの帽子にジョコビッチのサインをもらい、写真にもバッチリ収めたと大喜びでした。
20面以上のコートが広がるウィンブルドン――コート毎にそれぞれのドラマが繰り広げられます。ショット毎に気合いの唸りをあげて打つ選手、決め球にガッツポーズをとる選手、ラインからわずかにそれたショットに悲鳴を上げる選手… 目の前で展開する感動のドラマを見た経験が、これからの生活、そしてまずは月曜日の期末試験最終日に活かされるといいですね。