先週の全校写真撮影に引き続き、今週は個人写真撮影及び卒業学年のクラス写真撮影がありました。
図書館に本格的な撮影セットを用意してプロのカメラマンがひとりひとり念入りにポーズを確認し、午前中いっぱいかけて全校生徒を順番に撮影していきます。パスポートや受験願書に使う「白背景、正面向き」の写真ではなく、アブストラクトなバックグラウンドの前で少し横を向いて自然な笑顔を切り取るようにシャッターがきられていきます。純粋な日本人の子供達なのにイギリス人のカメラマンが撮るとちゃんと海外留学中のような写真が撮れるから不思議。この写真は学生証明書や卒業アルバムに使われたり、友達同士で交換して将来の思い出にしたり、そしてもちろん遠い地で彼らのことをいつも思ってくれている保護者の方々に見て頂くことにもなる写真です。立教に長くいる生徒の中には毎年撮るこの写真を家で並べて飾っている人もいるとか?! 立教での成長の歩みが手に取るようにわかる工夫かも知れません。
昼食前に撮影するはずだった卒業学年クラス写真撮影は、雨のため延期 ーー とは言っても、翌週になるわけではなく、昼食後までの延期。この日は朝から雨が降ったり止んだり。イギリスの天気は変わりやすいとよく言われますが、ここまで忙しない天気も久しぶりでした ーーでも昼食後は幸い「晴れ」。午前中の大降りの雨で濡れたグランドに眩しい日の光があたり、暖められた水分がスーッともやのように立ち上る不思議な光景も見られました。
「さぁ、それでは背の順にまず並びましょう!」
午前中個人撮影をしてくれたカメラマンが手際よく生徒達を並べていきます。
「早くしなさーい!ほら、向こうの雲が怪しいですよ。雨が降ってこないうちに撮ってしまいましょう!」
卒業学年の理科の先生が声をかけると、とてももっともらしく響きました。
まずは高校3年生の撮影。数ヶ月後にはこの場所を離れていく先輩達を、教室棟の窓から後輩達が見守っていました。写真に残る最後の顔をどう決めるかに迷っていたかどうかはわかりませんが、様々な笑顔の中にも、やはりどこかに貫禄が感じられる紳士&淑女の立派なクラス写真が撮影出来ました。
そして中学部3年生。中高一貫教育の為か、「卒業」という言葉にはあまり敏感ではない中3ですが、「卒業学年クラス写真」という名目で高校3年生の後に同じ場所でカメラに向かうと、不思議な感覚の緊張感が湧いてきます。3年後にもう一度、今度は本当の「卒業学年」の写真を撮ることになる生徒達、そして日本の高校に進学するため正にこれが最後の「クラス写真」となる生徒達もいました。
一瞬きらきらとお天気雨が落ちてくる場面もありましたが、どちらの学年も思い出に残る素晴らしい写真が撮れたようでした。