乗馬の寄り道④ 色づく丘陵

乗馬の寄り道④ 色づく丘陵 乗馬の寄り道④ 色づく丘陵 乗馬の寄り道④ 色づく丘陵 乗馬の寄り道④ 色づく丘陵
11月中旬、風と雨の嵐が何度かやってきた。
一晩ごとに木々は葉を落とし、あっというまに裸になった。
丘と野が茶色にかわっていった。
雨が降り続くと、「ああ、冬がやってきたな」と思うのがイギリス。
おそろしい風が一晩中荒れ狂い、歴史ある本館(女子寮)はガタガタと音を立てる。
季節はあっというまに冬の顔へと変貌していく。
そんなイギリスで、10月から11月のあいだ、つかの間の秋が目を楽しませてくれる。
すでに8月から涼しくはなっているのだが、
いかにも秋だな、と感じられる風景になるのは10〜11月。
10月下旬、校内の桜の木が一斉にオレンジ色に色づきはじめる。
そしていつもオープンデイまでもたないのだ。
桜がオレンジ色の葉を散らす頃、イギリスの丘や野原の木々はいっせいに山吹色に染まり始める。
「イギリス南部の秋は黄色だなあ」
紅よりも、褐色・黄色の木々が多いような気がする。
乗馬場へ向かう道は圧巻。
GODALMING(ゴダルミン)へ至る道は切り通しのような、丘を狭く切り開いた細長い道。
道沿いの木々が大きくすっくと立って、ひまわり色の葉をはらはらと散らすのだ。
はやくもかたむき加減の秋の日射しが、葉に透けて、黄色がますますおひさまの色に輝いていく。
「来週も見られるかなあ」
そうだね。嵐が紅葉(赤くないけれど!)を吹き散らしてしまわないといいね。…と語った11月の8日。
次の週は昼をすぎても晴れない霧につつまれて、紅葉も真っ白。幻想的。
22日の最後の乗馬のときは、丘陵はもう、茶色にかわっていた。
刈取りの終わったトウモロコシ畑で、馬を走らせてcanterを楽しんだよ。